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東京都の感染拡大防止協力金は申請者の約9割支給達成 「協力したのに不支給」と一部飲食店ら不満も

AP

東京都は、新型コロナウイルス感染拡大に伴い発出された緊急事態宣言の期間中、要請にしたがって休業等をしていた事業者に「感染拡大防止協力金」を支給している。1店舗を運営する場合は50万円、2店舗以上をもつ事業者には100万円と、困窮するに事業者にとっては小さくない金額だ。

4月16日~5月6日の期間に要請にしたがっていた事業者を対象とした第1回協力金は、6月15日に受付を終了し、すでに支給が始まっている。現在は第2回として、5月7日~25日の期間に要請にしたがっていた事業者について、7月17日まで申請を受け付けている。

この協力金支給をめぐって、6月中旬から「不支給」が決定したという通知が届いたとして、SNS上で飲食店経営者を中心に不満の声がみられるようになった。

飲食店の場合、緊急事態宣言中に都から受けた要請は「休業」ではなく「営業時間短縮」だった。これにしたがっていたはずだと主張する事業者に対しても、通知の中で不支給理由は「休業等の状況が要件に合致しませんでした」という一文だけで納得がいかない様子の投稿が目立つ。

都の担当者に話を聞くと、実際には9割近くの申請者に支給が進んでいることが分かった。一方で、どういった場合に支給を受けられるのか、逆に支給対象から外れてしまうのか、分かりにくいとも思われる要件について説明してもらった。

感染防止に協力したかではなく、要請にしたがったことが条件

Photo by Alex Holyoake on Unsplash

1)「基本的に休止を要請する施設」に属し、休止を要請されている施設
2)「施設の種別によっては休業を要請する施設」に属し、休止を要請されている施設
3)「社会生活を維持するうえで必要な施設」の内、「食事提供施設」に属し、営業時間短縮の協力を要請されている施設
(申請受付要項の「申請要件」より)

「感染拡大防止協力金」という名前になっているため、感染拡大防止に協力したかどうかで支給が判断されるものだと誤解を招くかもしれないが、今回の協力金はあくまでも緊急事態措置の要請にしたがった事業者が対象だ。

東京都の緊急事態措置の対象施設一覧をみると、飲食店は「社会生活を維持するうえで必要な施設」の内、「食事提供施設」に属し、休業ではなく「営業時間短縮の協力」が要請されていた。

これまで夜8時以降から朝5時までの間に営業している店舗に対して、朝5時から夜8時までの間の営業を要請し、酒類の提供は夜7時までとすることを要請。(宅配・テークアウトを除く。)

そして注意が必要なのは、「夜8時から朝5時の間に営業している店に対し、その間の営業を休止するよう要請」したものであるため、この時間にもともと営業していなかった店は協力金の対象外になることだ。休業や営業時間の短縮の措置をとっていても、残念ながら今回の協力金は支給されない。

一方で「宅配・テークアウト」は営業時間短縮の対象外となっており、夜8時から朝5時にこれらの営業を続けていても支給審査には影響がない。

微妙なケースはどう判断?

写真AC

SNS上では、営業時間を「18時~売り切れじまい」などとしている飲食店について、もともと夜8時以降営業していなかったと判断され、不支給となったのではないかと推測する声もみられた。

このことについて担当者は、申請書に営業時間を記入する欄があり、「売り切れじまい」のように書かれたケースは記憶にないということだった。不明な点は電話等で確認しているといい、必要があれば店の表示やレシートの打刻など、営業時間を証明できるものがあれば問題ないそうだ。

一方で、申請書類、場合によっては電話で実態を確認するのみとなると、実際は夜8時以降も営業しながら虚偽の申請をする不正が行われる恐れもありそうだ。この点について担当者は、現地に行って実態の調査を行う場合もあり、実際に確認したうえ決裁の手順を踏んで不支給となったものもあったと説明した。

「9割程度は支給、できる限り対応していきたい」

担当者によると、第1回の協力金は、約12万8千件の申請があり、6月末までに約11万件の支給が完了したという。支給されていない1万数千件については、書類の不備で再申請を求めるなど対応中のものも含まれている。また詳細な数字は出せていないものの、申請が最も多かったのは飲食店だった。

他方、不支給となった申請者から「どういう理由で落とされたのか分からない」という声が届いているのも事実だという。都ではコールセンター(0570-666-894)を設けて、申請者が個別具体的に不支給となった理由を照会できるようにしている。

「大まかにいうと審査するのは、

・休業要請の対象施設になっているか
・もともと夜8時から朝5時の営業をしていたか
・夜8時から朝5時の営業を休止していたか
・必要な書類が揃っているか

の4点。この考え方で判断していて、これ以外の要素が入ることはありません」

担当者は「9割程度は支給できていて、今後もできる限り対応していきたいと思っています」と語った。

第1回の申請について、再申請を求めているものについてはいずれ締め切る可能性があり、早めに対応する必要がある。

そして第2回協力金は今月17日まで申請を受け付けている。対象となっていればもれなく支給される「感染拡大防止協力金」。緊急事態措置の要請にしたがった事業者は、ぜひ活用してほしい。なお申請については、都が相談センター(03-5388-0567)を設けて問い合わせに対応している。

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