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「世界的ニュース発信二題」―無人運行船と海底地図―

日本財団が行っている二事業が、はからずも世界ニュースとして広く拡散している。既に6月26日のグログに掲載した世界初の本格的な無人運行船のニュースと、今回は世界海底地形図作成事業についてである。

日本財団は2004年から現在まで、「GEBCO」(大洋水深総図)という組織と共に人材養成から始まり、現在まで15,946,000ドルの費用で海底地図の作成を地道に行ってきた。

2030年までに全世界の海底地形図を100%完成させることを目指しているが、この度、6月21日の国際水路デーにあわせて2020年度版の世界の海底地形図を発表したところ、ロイターをはじめ、世界ニュースとして拡散した。

海底地形図作成の取組は、モナコ公国のアルベール1世がその必要性を提唱した20世紀初頭まで遡る。以来、日本財団がSeabed 2030を立ち上げる2017年まで、解明されていた世界の海底地形は全体のわずか6%に過ぎなかった。だが「母なる海」の危機が進行している今だからこそ、海底地形の解明は健全な海を数百年、数千年先の世代に引継ぐために改めて重要性を帯びてくる。

海底地形が明らかになれば、津波や海面上昇の予測、更には気候変動の予測などに大いに役立つことになる。加えて、「今後世界の海洋経済が成長するにつれ、海洋のエコシステムや海洋生物に関する知識を増やし、将来の食料供給パターンを知る上で海底のデータは重要なものとなる」とロイター通信は報じている。

過去100年間で6%しか解明されなかった海底地形をSeabed 2030は、3年弱で19%に向上させるなど、目覚しい成果を上げている。一方で、プロジェクトのディレクターであるジェイミー・マックマイケル氏はBBCのインタビューに「現時点で解明されている海底地形は19%。言い換えれば地図化に向けて調査を必要としている海が81%残っている。火星の倍ほどの面積を次の10年間でマッピングしなくてはいけない」と答えている。

このように世界の海底地形を100%解明するには依然として長い道のりが残っているのが実情だ。目標を達成するために、今後は次の3つのことに力を入れていく必要があると考えている。即ち、未開拓海域のマッピング、クラウド・ソーシングによる海底地形のデータ収集、データ収集効率を向上させる技術革新だ。そして何より、政府、企業、科学者、海の関係者、一般市民など幅広い人達との連携も欠かせない。

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