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世界一幸福な国・フィンランド流「仕事も人生もうまくいく」正しい休み方のコツ10

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幸福度世界1位の国フィンランドでは、身体的、精神的、社会的に良好な状態であることを指す“ウェルビーイング”という言葉をとても重視しているそうです。夏休みは1カ月、午後4時に仕事は終える……など、働き方も休み方も日本とは大きく異なります。フィンランド大使館で広報として活躍する堀内都喜子さんが教えるフィンランド人の上手な休み方とは――。

※本稿は、堀内都喜子『フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか』(ポプラ新書)の一部を再編集したものです。

フィンランドの旗を振る

※写真はイメージです(写真=iStock.com/naumoid)

フィンランド人が4週間の休みをとる理由

かつて、フィンランド人の同僚が4週間の休みをとる理由をこう語っていた。1週目はなかなか仕事から完全に離れられず、頭の中で考えてしまう。2~3週目になると休みを楽しむことができ、4週目になるとそろそろ仕事に戻りたくなる。だから今後の仕事のモチベーションや、心身の健康、ウェルビーイングの観点からも長期の休みが必要なのだ、と。

そして長期休みに同僚が入る時、周りは「仕事もパスワードも忘れて、携帯もメールも見ちゃだめだよ」と声をかけることが多い。誰か一人が長く休みをとるのであれば、周りの人が不満に思ったり、休むほうも心苦しく感じるかもしれないが、みんなが同じぐらい休みをとるので、素直に「行ってらっしゃい」という気持ちになる。

取引先が多少不便を感じたとしても、夏休みの季節だし、自分も休むのだからと、寛容になれる。だが、インターネットや携帯がこれだけ普及している時代に、果たして本当に休み中は仕事から離れられるものだろうか。

フィンランド人も長期休み中のメールは気にしてしまう

フィンランドのニュースサイトの調べでは、実は、夏休み中もニュースを読む感覚でメールを一日一回読んでしまうという人が38パーセント、しかも、うち34パーセントが返信もしてしまうと回答している。ただ、メールチェックは周りに気を使って、家族がそばにいない時に、と答えた人が多かった。

もちろん休みの時は、肉体的にも精神的にも完全に仕事から離れて、リラックスしたほうがいいに決まっている。フィンランドの国立労働研究所の研究者キルシ・アホラもインタビューで「ウェルビーイングの観点から、休みの大切な目的は、仕事の疲労からの回復です。休み中にメールを読んでしまうと、きちんと回復できない可能性もあるのです」と語っている。ただ、1カ月が過ぎて仕事に戻った時に何百ものたまったメールを読むよりは、少ないほうがいいという気持ちも理解できるのではないだろうか。

休みに仕事をしない工夫をしよう

では、休みにメールを読まず、できるだけ仕事をしないようにするには、どうしたらいいか。まず一つは先ほども述べた通り、自分の休暇中に仕事をカバーしてくれるインターンやチームメートを決めておくことだ。そうすれば、その人が代わりにメールを読んだり、答えたりしてくれるので、心穏やかに休みを楽しむことができる。「アウト・オブ・オフィス=オフィスにいません」の自動返信に、自分の仕事をカバーしてくれる人の名前を書いておくことで先方も途方にくれることがない。

同時に、緊急の時の連絡方法を決めておくことが大事だ。代理の人や周りの同僚がどうしても連絡をとりたい時、携帯に電話してもいいのか、日本で言うLINEのようなメッセージアプリにメッセージを送ったほうがいいのかなど。もちろん誰もが休み中に仕事の電話がかかってくる煩わしさを知っているので、それはできるだけ避けたい。ただ、スピードが求められる現在、放っておくことのできない案件が緊急ででてくることはある。

私のある上司の場合は、「メールは一切見ないから、どうしても必要な時はアプリでメッセージを送って」と言う。休みは邪魔したくないが、そのメッセージを送ることが許されたことで、オフィスに残っている人たちが助かることもある。最初から「通常のメールは見ないから」と宣言しておくことで、当人も周りも楽になる。こういった取り決めがあることで、経営陣や管理職であってもある程度心配せずに休めるようになり、今までメールを読むことに費やしていた時間を、なくすことができる。

夏休みにはコテージでデジタルデトックス

だが、長期の休みに慣れていない日本人からしたら、そんなにも長い休みに何をするのだろうと不思議に思うかもしれない。

やはり時間がたっぷりあるので、国内外にゆっくり旅行に行く人は多い。だが、それ以上にフィンランドらしい夏休みは、コテージに行くことだ。550万人の人口のフィンランドには50万軒のコテージがあると言われている。親せきから譲り受けたものや、自分で建てたものなどいろいろだが、きょうだいや親せきと共有して使っていることが多い。

コテージでサウナに入り、自然や静かな時を楽しむ。コテージの中には、電気や水の通った普通の家のように豪華なところもあるが、そういったものが一切ないところも少なくない。

私のある友人は、「いろいろ便利なものが揃っているコテージは、コテージじゃない。やっぱり、明かりは白夜の自然な光のみ、水は近所から汲んできて、昔ながらの薪や炭を使って簡単な料理をするのがいいのよね」とよく言っている。そういったコテージは、もちろんテレビもなく、まさにデジタルデトックスだ。

しかもトイレは昔ながらの屋外の汲み取り式だ。シャワーもなく、サウナを温めて、湖で汲んだ水を薪のサウナストーブの横のタンクに入れてお湯を作り、湖の水と混ぜて行水のようにして体を洗う。

何でもある生活やデジタルな生活に慣れてしまっていると不便に感じるコテージライフだが、日々の忙しさや喧騒から離れてこういったところで1~2週間過ごすと、身も心もリセットされる。読書を楽しんだり、魚釣りをしたり、近くを散策したり、予定や時間に追われない、何もしない時間を楽しむのだ。

DIYや勉強、家族の行事を楽しむ人も

湖や海が身近なフィンランドでは、ボートやヨットを持っている人も多い。友人のご両親は夏休みのうち10日間ほどを毎年ヨットで過ごす。大小様々な島を巡り、ヨットの中で眠る。さらに、仲間とキャンプに行ったり、フィンランド中で開催される音楽やアートのフェスティバルに出かける人も多い。

また、夏は結婚式や、堅信礼(15歳になってあらためて洗礼をうける。フィンランドでは成人式のような意味合いが強い)など、家族・親せきがらみの行事も数多くある。そういった行事に参加するため、フィンランド中を移動する。

さらにはDIYが盛んなフィンランドでは、日が長く、まとまった時間のある夏休みにリノベーションをする人が多い。トイレや浴室、壁のペンキ塗りなど、普段できないことをこの時に家族総出で行うのだ。もちろん庭仕事や畑仕事など、雪がなく暖かいこの時期にしかできないこともたくさんある。

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