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中国の反日デモの真の仕掛け人は誰か

 過去最大の規模となって、80都市を超えたそうです。中国全土に拡大した反日デモのことです。
 危ないところでした。9月1~8日の法政大学教職員・OB訪中団も、この時期だったら中止になっていたかもしれません。

 日本政府が沖縄県の尖閣諸島を国有化したことに反発して大規模な反日デモが2日連続で発生しました。日本料理店などが襲われたり、日系の大型店や企業などでの略奪もあり、操業停止に追い込まれるなど、事態は深刻になっています。
 背景には中国の現状への不満やうっぷんがあるのかもしれません。それを晴らす対象として、日本が選ばれたという側面は否定できないでしょう。
 しかし、日本人を敵視して日本製品を略奪したりボイコットしたりしたからといって、それで尖閣諸島の領有権が変わるはずがありません。「日本人は島から出ていけ」と叫んでも、島には誰も住んでいませんから、出て行きようがないではありませんか。

 この問題を、もっと冷静に考えてもらいたいものです。問題を紛糾させても、どちらの国にもプラスにはなりません。
 「愛国無罪」という言葉があるようですが、日本の商店や企業を襲って略奪することは、中国に対する国際的な信用を失墜させ、外交関係を混乱させるだけです。決して、「愛国」的な行為ではないということを自覚してもらいたいものです。
 問題を解決するには、外交的な交渉しかありません。日本政府は、これまでの経過と意図を、きちんと中国政府に説明して理解を得るべきでしょう。

 ところで、この混乱した事態を、日本国内でほくそ笑んで眺めている人が一人いるように思われます。石原慎太郎東京都知事です。
 今回の事態の引き金を引いたのは石原都知事にほかならず、事態をここまで悪化させた全ての責任はこの人物にあります。石原さんが、都による尖閣諸島の購入を働きかけなければ、事態がこのような展開を示すことはなかったでしょう。
 民主党政権への嫌がらせのために尖閣諸島の購入を持ちかけ、それを阻むために政府は国有化を決断し、そのことが中国国民に誤解を与え、今回の大規模な反日デモに発展しました。それによって日系企業は10億円以上の損害を出したと言われています。

 訪中時に西安交通大学の鄭学長と懇談した際、この問題も話題になりました。そのとき私は「悪いのは石原慎太郎都知事です。中国側も日本の右翼を喜ばすような過剰な反応を慎んで下さい」と言いました。
 その後、日本の右翼と中国の過激派が、ともに相手の過剰反応を利用して言動をエスカレートさせることになったのは誠に残念です。明日18日は、満州事変の契機となった柳条湖事件が勃発した日に当たり、さらにデモが拡大することが懸念されています。

 反日、反中国の流れを強めようと画策する石原都知事らの策略に乗ってはなりません。冷静な対応によって事態の沈静化を図り、是非、日中両国の友好と協力を強める方向で、この尖閣諸島の問題を解決して欲しいものです。

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