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アングル:コロナに水銀汚染、アマゾンで違法「ゴールドラッシュ」


Simon Scarr Anthony Boadle

[26日 ロイター] - ブラジルの先住民族ヤノマミ族が暮らすアマゾン熱帯雨林の中心部で過去5年間、違法な金の採掘が急増している。衛星画像による独自データをロイターが分析した結果、明らかになった。

民族は南米の先住民族の中では最も人口が多いが、外界からかなり隔絶された環境に住んでいる。ベネズエラとの国境近く、ポルトガルほどの大きさの保護特別区域に2万6700人以上が暮らす。

彼ら、彼女らが数世紀前から暮らしてきた原生林の地下には、金を含む貴重な鉱物資源が眠っている。

ここ数十年というもの、金を求める非合法の探鉱者らがこの地に引き寄せられ、森林を破壊し、河川を汚染し、死に至る病を持ち込んだ。

ヤノマミ族と地元当局者の推計によると、ここでは現在、2万人を超える非合法探鉱者が活動している。2018年、アマゾンを経済開発し、鉱物資源を採掘すると公約する極右ボルソナロ大統領が就任して以来、その数は増えた。

大統領府にコメントを要請したが、返信は得られなかった。

ヤノマミ族の特別区域を写した衛星画像をロイターが分析したところ、過去5年間で非合法の採掘活動は20倍に増えている。主な活動地域はウラリコエラ川とムカジャイ川沿いで、合計すると約8平方キロメートル、サッカー競技場1000個分を超える。

ロイターは衛星画像を分析する非営利団体アースライズ・メディアと協力して作業を行った。

採掘の規模は小さいが、環境に壊滅的な影響を及ぼしている。樹木と居住環境は破壊され、砂岩から金を分離するのに使う水銀が川に流れ、水を汚染し、魚を介して地域の食物連鎖に入り込む。

18年に公表された調査結果によると、ヤノマミ族の村落の中には、住民の92%が水銀中毒に苦しんでいるところもある。この中毒は臓器を傷付け、子どもの発育障害を引き起こすことがある。

採掘者は感染症も持ち込む。

1970年代、ブラジルの当時の軍事政権がアマゾン川北部の熱帯雨林を抜ける幹線道路を建設した際には、ヤノマミ族の村落が2つ、はしかとインフルエンザにより壊滅した。

その10年後、「ゴールドラッシュ」でマラリアと、武器を伴う小競り合いが持ち込まれた。

そして今、新型コロナウイルスがヤノマミ族を脅かしている。研究者や人類学者、医者のネットワークによると、今週までに確認された感染者は160人を超え、死者は5人に及ぶ。

フトゥカラ・ヤノマミ協会のダリオ・ヤワリオマ副会長は電話でインタビューに応じ、「この死のウイルスを、われわれの社会に持ち込んだ主な経路が非合法探鉱者だ」と言う。「大勢やってくる。ヘリコプターや飛行機、ボートで到着し、われわれは彼らが新型コロナに感染しているかどうか知るよしもない」

ヤノマミ族のような先住民は、一つ屋根の下に多ければ300人が一緒に暮らし、食べ物から調理器具、ハンモックまで共有する集団的な生活様式のため、対人距離確保は実質上、不可能。ウイルスは特に脅威だ。

ヤワリオマ氏によると、新型コロナの感染が流行したため、政府の先住民対策機関である国立先住民保護財団(FUNAI)はそれ以来、特別区域を訪れていない。FUNAIからコメント要請への返信は得られなかった。

ブラジル軍は探鉱者の侵入阻止を試みたことがあるが、兵士が去るとすぐに探鉱者が戻ってくるという。

<金はインドへ>

政府データによると、ブラジル北部のロライマ州は、金が最も重要な輸出品だ。しかし同州で法律にのっとり登録された探鉱事業は存在しない。

政府の鉱業機関筋によると、同州の金採掘はほぼすべて、ヤノマミ族など先住民の土地で行われている。つまり非合法だ。

採掘された金は、大半がインドに輸出される。公式統計によると、昨年はロライマ州からインドへの輸出量が486キロと、18年の38キロから増えた。

非合法の採掘を合法化したいと公言するボルソナロ大統領が就任すると、非合法の金採掘者らは意を強くした。ボルソナロ氏は、ヤノマミ族の特別区域は人口に対して大き過ぎるとも述べている。

<採掘者とコロナは出て行け>

環境保護団体グリーンピースは今週、独自の衛星データ分析に基づき、アマゾンでの非合法採掘の72%は先住民の土地か特別区域で行われていると指摘した。

20年に及ぶ土地所有権闘争の末に1992年に公式に居留地域が認められたヤノマミ族は「採掘者は出て行け、COVID(新型コロナ)は出て行け」の合言葉を掲げ、採掘者の排除を求める嘆願を開始した。

救いの手が差し伸べられるかもしれない。連邦裁判所は17日、FUNAIに対し、新型コロナの感染爆発との闘いを支援し、非合法採掘を止めるため、ヤノマミ族の特別区域に出先機関を3カ所再設置するようよう命じた。こうした出先機関の常設は、ウイルスに接触していないヤノマミ族をモニターする上でとりわけ重要だ。

先住民の権利保護を求める団体サバイバル・インターナショナルの責任者でヤノマミ族と一緒に30年活動してきたフィオナ・ワトソン氏は「現在、ヤノマミ族は極めて被害を受けやすい状態だが、彼ら、彼女らは粘り強い人々でもある。彼らは決して、ただ傍観し安穏としていることはできない。常に誰かしらが彼らの土地に入り込もうとしているからだ」と話した。

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