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トヨタ、新役員9人体制の真意

トヨタ自動車は、執行役員の数をこれまでの23人から半分以下に減らし、社長の豊田章男氏を含む9人にする新たな役員体制を発表しました。製造技術担当の河合満氏、番頭役でリスク管理担当の小林耕士氏らは、それぞれチーフオフィサーとして各分野を担当すると同時に、豊田章男氏と密に連携し、会社全体を見渡す役割を担います。

トヨタは昨年1月に、専務役員以上を役員に、常務役員、常務理事、基幹職1級・2級、技範級を幹部職に設定しました。

それに続いて、今年4月、副社長職を廃止し、全執行役員を同格にして、チーフオフィサー、カンパニープレジデント、地域CEO、各機能担当に分けました。

今回の新役員体制は、これらの組織体制に続くものと見ていいでしょう。執行役員の役割は、より明確化され、経営トップと連携し、会社全体を見据えて経営を進める体制になります。

社長の豊田章男氏は、これまでも組織改正や人事制度変更のたびに、階層を少なくしてきました。なぜか。各ポストの役割や重要性を大きくし、各機能の目線ではなく、より経営に近い目線で会社を動かしていける人を登用するためですよね。

それとともに社員は、〝肩書き〟を目指すのではなく、〝能力〟を伸ばしてほしい――。これが、豊田章男氏の人事に対する考え方です。

7月1日以降、9人の執行役員は、豊田章男氏と密接に連携をとり、会社全体を見渡す役割を担うわけですね。全社的な方向性や戦略を豊田章男氏が決め、執行役員がそれをサポートしていくイメージですね。

新役員体制の報に接すると、「ポスト章男氏」の準備か、という解釈もあるようですが、正直、まったくわかりませんね。

トヨタはいま、モビリティカンパニーへのモデルチェンジ、ウーブン・シティへの取り組みなど、スピードをもって対応していかなければなりません。「100年に1度の大変革」への対応です。

また、「リーマン・ショックよりもはるかにインパクトが大きい」と、豊田章男氏はこの5月の本決算で述べましたが、コロナ禍という危機的状況を乗りこえ、経済復興の牽引役になることが求められています。しかし、すべて先が見える話ではありません。

豊田章男氏のいまの最大の関心は、そこにあると思いますね。

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