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コロナ患者受け入れ、1泊2500円…アパ社長の究極経営判断と「ハッテン場化の是非」

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このコロナ禍でホテル業界に軒並み元気がなくなる中、ひときわ世間の注目を集めたのがアパホテルだ。新型コロナウイルス感染者の受け入れにいち早く名乗りを上げ、全国9棟のホテルを療養施設として貸し出したことに加え、一般客向けに1泊2500円~という破格のキャンペーンを打ち出したからである。その狙いについて、アパホテル・元谷芙美子社長に話を聞いた——。

アパホテル・元谷芙美子社長
アパホテル・元谷芙美子社長

なぜコロナ患者を積極的に受け入れたか

——新型コロナウイルス感染者の受け入れを決めた経緯について教えてください。

4月2日に政府から新型コロナウイルス無症状者及び軽症者の受け入れについて意向打診をいただきました。日本中が戦後最大の国難にあり、世界中が第3次世界大戦ともいえる大打撃を受けている中で、ホテル業界のリーディングカンパニーとして医療崩壊を防ぐためのご協力をしたい、皆さまの期待にお応えしたいという想いから、即座にお引き受けさせていただく方針を固めました。

なぜ…近隣住民から渡された千羽鶴

——そうとはいえ、受け入れを決めたときは、コロナウイルスについて今よりもわかっていなかった時期だと思います。不安りが募る状況で、従業員や近隣住民から反対の声は上がらなかったのでしょうか。

従業員から協力者を募ったところ、むしろ予定していた数を上回るたくさんの応募がありました。自治体への一棟貸しなのでそもそも従業員の数は少なくて大丈夫で、例えば「アパホテル&リゾート〈横浜ベイタワー〉」(横浜市中区・2311室)では通常時で70~80人の従業員が働いていますが、コロナウイルス感染者の受け入れ時に従事してもらうのは10人くらい。少し手当てを出したこともあるかもしれませんが、その定員の何倍もの応募がありました。多くの従業員が代表・社長の想いに共感して頑張りたいと思ってくれたことに、正直救われましたね。

千羽鶴

周辺住民の方からは、最初は反対がありました。受け入れ当初はまだコロナウイルスについて今よりもわかっていないことが多く、「空気感染をするのではないか」と何十メートルも離れた住民の方から不安の声をいただくこともありました。そこで、東京都に資料を作ってもらって、コロナウイルスは2~3メートル離れれば感染のおそれはないことや、患者さんの送迎は車で行うので接触の心配はないことを周知したのです。

「アパホテル&リゾート〈両国駅タワー〉」(東京都墨田区)は新築オープン前に東京都に棟ごと貸すことになっていました。周辺住民を説得するために、そこの建設を担当した一級建築士が直接出向いて説明したりもしましたね。そうしたら東京都に渡す日に、反対されていた方の一人が「コロナ患者さんが早く回復するように」と千羽鶴をくださったのです。「アパホテル〈大阪肥後橋駅前〉」(大阪市西区)の受け入れのときも千羽鶴をいただきました。周辺住民の方々にも私たちの想いを理解していただけて、ほっと胸をなでおろしました。

感染者受け入れ時に従業員がしたこと

——感染予防策はどのようにしていたのでしょうか。

アパホテルの社員はホテル従業員であって医療従事者ではないので、患者さんがいる客室までは行かなくていいことになっています。業務としては、電話がかかってきたら取り次いであげたり、食事をエレベーターの前に置いて、取りに来ていただくよう連絡を入れたり、患者さんと直接接触しないようなことに限っています。

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