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EU、「安全な」14カ国からの渡航許可へ 日本やカナダなど

Reuters

欧州連合(EU)は29日、7月1日より域内に渡航可能な14カ国を発表した。オーストラリアやカナダ、日本、モロッコ、韓国などが含まれている一方、アメリカ、ブラジル、中国は除外された。

新型コロナウイルスの流行に伴い、EUは3月以降、域外からの入域を制限した。加盟国はこの制限の解除に向け、非加盟国が満たすべき条件について協議していた。

現時点で「安全リスト」に入っているのは、アルジェリア、オーストラリア、カナダ、ジョージア、日本、モンテネグロ、モロッコ、ニュージーランド、ルワンダ、セルビア、韓国、タイ、チュニジア、ウルグアイの14カ国。

一方、除外された国のうち中国については、同国政府がEUからの渡航を受け入れることに合意すれば、安全リストに追加するとしている。

また、今年1月にEUを離脱したイギリスは、年末の移行期間終了までは加盟国と同じ扱いとなっている。EU当局は6月15日以降、加盟国に対して域内の移動を解禁するよう求めている。

イギリスは現在、すべての渡航者に14日間の自主隔離を要請しているが、夏休みの観光シーズンに向け、EU加盟の数カ国については隔離を免除するいわゆる「エアブリッジ」の導入を交渉している。

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EUは30日午後にも安全リストを完成させるとともに、渡航を許可する条件も明らかにする予定。

これまでに、合意の批准に必要な加盟国の55%(EUの総人口の65%に相当)を超える国がこのリストを承認している。

EU当局は6月15日以降、加盟国に対して域内の移動を解禁するよう求めている。

しかし加盟国の中でも、今夏の観光シーズンから少しでも収入を得たい国と、公衆衛生の状況に危機感を持つ国とで割れている。感染者や死者の多かったスペインなどは慎重な姿勢をとっている一方、被害が少なかったギリシャやポルトガルは国境の開放に積極的だ。

先週の時点では、加盟国は2種類のリストを検討していると報じられていた。米政治ニュースサイトのポリティコによると、ひとつは人口10万人当たりの感染報告数が16件以下の国、もうひとつは20件以下の国で、後者の場合はカナダやトルコが入ってくるという。

米紙ニューヨーク・タイムズは、リストは2週間ごとに更新される見通しで、アメリカも後からセーフリストに加わるだろうと伝えていた。

欧州委員会は6月初め、7月1日の境界開放では、西バルカンの非加盟国を最優先にすると強調していた。しかし加盟国のクロアチアは24日、感染拡大を理由に、ボスニア、セルビア、コソヴォ、北マケドニアからの入国者には14日間の自主隔離を義務付けると発表している。

<解説> カティヤ・アドラー欧州編集長

どのEU非加盟国が「安全」なのかを決めるのは、単純な作業だと思うかもしれない。しかし実際には政治と経済、そして公衆衛生の観点が入り混じる、苦痛に満ちた、分裂を招くプロセスだった。

COVID-19の被害に打ちのめされたドイツやスペインといった国々は安全策をとりたいと考えていた。こうした国々は、感染率が低く、医療体制が整っていて、信頼できるデータがそろっている国だけをリストに入れようと呼びかけた。

しかしギリシャやポルトガルの考えは違った。ロックダウン後に弱まりつつある、観光を主とする経済への不安と、パンデミックでも被害の少なかった経験から、受け入れる国は多ければ多いほど良いと主張した。

さらに、互恵関係を強調するフランスがいた。ある非加盟国がEUからの渡航を制限したら、その国も同じ「待遇」を受けなくてはならないというのがその考えだ。

そして最後に外交上の考慮が加えられた。ある国は渡航を許され、別の国は許されない、そんな決断をするのはEUにとっても気まずいものだ。

カナダと日本にはゴーサインが出た。中国も、EU市民の渡航を認めるなら許可される。しかしアメリカからの渡航は認められない。

作成されたリストは、数日にわたる押し問答の末の妥協案だ。多くの比ゆ的な血と汗と涙が流された結果だが、あくまで勧告にすぎず、例外も認められ、定期的に更新されていくだろう。

(英語記事 EU to allow in visitors from 14 'safe' countries

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