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「トイレ不倫」の渡部建への壮絶バッシング…やってもいい、誹謗中傷はあるのか

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あらゆる女性を敵に回した「不倫」騒動

アンジャッシュの渡部建さんの「不倫」騒動は、長らくコロナで心身ともに疲れ切っていた日本人にとって、久しぶりに鬱憤を晴らす絶好の好機となってしまった。緊急事態宣言が解除され早々に放たれた文春砲は、先の見えぬ日々にヤキモキしてきた日本人に、再び「日常」が戻ってきたことを思い出させる形となった。他人の失態に好き放題いえるだけの心のゆとりを取り戻したともいえる。

パパラッチが車に群がって写真を撮る
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/IPGGutenbergUKLtd

過去、幾度となく繰り返されてきた「芸能人の不倫」騒動。直近では俳優の東出昌大さんの「不倫」が記憶に新しい。幼い子らの育児に奮闘する妻を放っての無邪気すぎる恋愛に、世間の非難は集中したものだが、今回はそれに輪をかけての強烈な逸話の連続に、弁解の余地なしと非難は集中放火した。

爽やかなイケメン、機知の富む饒舌なトーク、食などに対する豊富な知識、一児のパパで、しかも妻は若くて美人な“あの”佐々木希さん。そんなハイステータスで売れっ子な男が、よりにもよって多目的トイレでの15分「不倫」を繰り返し、しかも報酬が1万円という倹約ぶり……。

いや、むしろ1万円などないほうがマシだった。これでは「寸暇を惜しんで会いたかった」という弁明すら成立しない。時間単位の報酬ありきの付き合いは恋愛とは呼ばない。

結果として、不倫される(かもしれない)側にとっても、不倫する(かもしれない)側にとっても、「ありえなさすぎる」事態となり、生きとし生ける全女性を敵に回すこととなった。

日本中がにわか「裁判官」になる不思議

だとしても、である。その後の手を変え品を変えの誹謗(ひぼう)中傷、罵詈(ばり)雑言、暴言暴動は、どう考えても行き過ぎだった。

渡部さん本人に向けての非難コールはもとより、相手の女性(と思わしき人物)に対する「信じられない」「死ね」などといった暴言の数々。たったひと月ほど前、SNSへの誹謗中傷の書き込みを苦に自殺した女子プロレスラーの木村花さんを悼んでいた同じ国の出来事とは思えない。

あるいは任意の「自粛警察」が跋扈(ばっこ)した日本ならではのお家芸なのだろうか。

そもそも、それほど国民全員が品行方正なお国柄とも思えないが、いざとなると世のなかがにわか「裁判官」だらけになる不思議。むしろそれだけ日々の鬱屈がたまっている証拠なのかもしれない。

さらに、その裁判官たちが皆、匿名という名の透明マントで自己防衛していることは言うまでもない。名も姿も見せずにいられるからこそ、会ったこともない他人を平気で言葉で切り刻むことができる。

「どうでもいい」ことにエネルギーを費やすことのデメリット

そもそも不倫騒動で実質的被害を受けるのは、家族と所属事務所、仕事関係者だけだ。あとは長年応援してきた直接のファンだろうか。

それ以外の部外者にとっては、誰がどんな「恋愛」をしようが、何ら、まったく、完全に、関係はない(自分の境遇に重ね合わせてしまった場合は、話は別だが……)。

「佐々木希ちゃんがかわいそう」という心配の声も、本人にしたら大きなお世話だろう。配偶者の不倫を理由に周囲から同情の声を寄せられて心から喜ぶ人間などいない。むしろそっとしておいてほしいし、子どもと家族の未来のためにはさっさと忘れ去ってもらいたいものだ。

つまり、他人への誹謗中傷に大義名分はなく、単なる「イジメ」以外の何物でもない。匿名という隠れみのが、情報開示で取り払われてもなお、堂々と非難するべき確固たる理由がない場合は、控えたほうがいいといえる。

怒りを感じる「偏桃体」、それをコントロールする「前頭葉」

だがこの際、「相手への配慮」という観点はいったん脇に置いておこう。ここでは、「誹謗中傷」する側の、心理的、立場的なデメリットを理解しておきたい。

本来、何か不愉快な事象に接した際に、私たちがとっさに怒りや不安を抱くのは、自然の摂理である。

大脳の側頭葉にある「偏桃体」は、危険を察知し、恐怖や怒りといった感情を引き起こす。もし、獰猛(どうもう)な蛇などを目の前にして、恐怖を感じなければ、私たちはあっけなくのみこまれてしまう。いわば生存するための危険察知センサーとして、「偏桃体」は機能し続け、私たちのご先祖様は外敵から身を守り、進化することができたのだ。

だが、高度に社会化した現代の世で、偏桃体センサーそのまま、喜怒哀楽を表に出していたら不都合が生じる。怒りに任せて相手を殴り倒し、不安に駆られ周囲を怒鳴り散らしていたら、どんなコミュニティでもやっていけない。周囲にいつも何かしらの愚痴や不満、他人への悪口を言っている人はいないだろうか。愚痴や悪口も、一時なら気も晴れようが、周囲の人間からの評価はダダ下がりである。

いつも他人への怒りを抱えている人は、怒りの記憶ばかり強化されて、楽しかったことや生産的なことに思いをはせる回路が失われやすい。つまり、本人にとて良いことなしである。

匿名でブチきれるネットにいる大人たち

怒りや不安の衝動を抑え、感情をコントロールするのは、同じく大脳にある「前頭葉」の働きだ。偏桃体によって不安や恐怖を感じても、適切な状況判断をし、感情を抑えて行動する。

ちなみに「前頭葉」は幼い子では未発達だ。高齢になり脳機能が委縮していく場合も、前頭葉のコントロールは弱くなる。だから、子どもは感情のまま相手に手を出すし、キレる老人は他者に怒鳴り散らす。

そう、通常の大人ならば、「怒り」や「相手を怒鳴りつけたい欲望」「誹謗中傷したい欲」はある程度コントロールできるはずなのだ。怒りは仕方ないものではなく、自分の選択の結果であるともいえる。もっとも、それを重々承知しているからこその「匿名」なのだろうが。

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