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中国外交部の「尖閣諸島購入非難声明」の嘘と野心 - 彦川太志

今月11日、野田首相が表明した「尖閣国有化宣言」に対して、中国外交部が非難声明を発表しました。(9/11 人民網日本語版)

強い語調で日本の非をまくし立てておりますが、その主張には明らかに「嘘」と「野心」が隠れています。

「尖閣防衛」の気概を新たにするためにも、今一度中国政府の「嘘」を見抜き、その「野心」を挫いて参りたいと思います。

中国の「嘘」:「尖閣諸島は台湾の一部」



中国外交部の声明は、尖閣諸島に関して「早くも明朝の時代には釣魚島等の島嶼は中国の海防管轄範囲に組み込まれ、中国の台湾の付属島嶼であった」と主張しています。

しかし、我が国が沖縄県を通じて尖閣諸島を領土に編入した1895年、魚釣島をはじめとした尖閣諸島に中国の足跡はなく、国際法上明らかな「無主地」であり、当時交戦中だった清国も我が国の「領土編入」の打診に何ら異議を申立てませんでした。

「尖閣諸島は無主地として、南西諸島の一部として国土に編入された」ことは歴史的な事実です。

それでも「尖閣は台湾の一部」と中国が主張するのはなぜでしょうか?

それは、台湾が日清戦争の終結とともに「下関条約」によって日本に割譲され、第二次世界大戦終結とともに、「ポツダム宣言」及び「カイロ宣言」によって中国へ返還することが義務付けられた土地であるからにほかなりません。

尖閣諸島が「下関条約」により清国から割譲を受けた「台湾及び澎湖諸島」に含まれないことは明らかです。

中国政府の強硬姿勢に騙されず、客観的な歴史的文証によって、しっかりと事実を抑えたいと思います。(参考:外務省「尖閣諸島についての基本見解」⇒http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/senkaku/index.html)

さらに指摘しておかなければならないことは、尖閣諸島の地下に油田が発見されるまでは、「尖閣は南西諸島の一部で日本領」というのは中国も認めていた、という事実です。

1953年1月8日付の中国共産党機関紙「人民日報」で、「琉球群島は、わが国台湾の東北および日本九州島の西南の間の海上に散在し、尖閣諸島、先島諸島、沖縄諸島、など7つの島嶼からなっている」として紹介し、南西諸島の一部であることを認めているのです。

そもそも中国側は尖閣諸島に対して、1895年の日本領編入から、ECAFE(国連アジア極東経済委員会)の調査によって油田が発見される1970年までの75年間、一切関心を寄せておりません。

「史実と国際法理を深刻に踏みにじ」り、身勝手な主張をしているのは中国政府の方です。

中国の不法な領有権の主張を毅然とはねつけ、実効支配・領域警備強化を行っていくべきです。

中国の「野心」:日本への「分断工作」と中華帝国への「野心」


さらに中国側は、日本の尖閣国有化は「世界反ファシズム戦争の勝利の成果に対する公然たる否定であり、戦後の国際秩序に対する重大な挑戦」と非難する一方、「中国政府は一貫して中日関係の発展を重視している。中日両国及び両国民は友好的に付き合うほかなく、敵対するわけにはいかない」と「日中友好」への呼びかけを続けます。

これこそ、「中国の意に沿わない日本政府」と「中国に友好的な日本人民」の分断を図る、中国の典型的な「分断工作」です。

そして外交部声明は次のように本音を漏らしています。

「中華民族が他国の思うがままに侮られた時代はすでに過ぎ去り、再び戻ることはない。中国政府が領土主権の侵害を座視することはあり得ない。」

この言葉は、かつて毛沢東が語った壮大な「野心」にピタリと重なります。

「われわれの国防は強化され、いかなる帝国主義者にたいしてもわれわれの国土を二度と侵略することを許さない…内外の反動派をわれわれの前でふるえあがらせようではないか…中国人民は不撓不屈の努力によって、かならずや着実に自己の目的をとげるにちがいない」(毛沢東選集第五巻「中国人民は立ち上がった」北京外文出版社)

「失地回復」から「大中華帝国」の再興を目指す中国政府の野心は、建国直後の毛沢東体制の時代から何も変わっておりません。

中国政府の「嘘」と「野心」をしっかりと見抜き、国防強化の教訓として参りましょう。(文責・彦川太志)

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