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国際機関でトップを務める日本人を増やすために必要なこと

こんにちは。参議院議員の田島まいこです。

国際機関のトップを含む重要ポストに日本人が就任する機会が近年少なくなり、政府は日本の存在感低下に危機感を強めているというニュースが出ています。これは私が現在所属する参議院のODA調査会でも、何度も議題にあげられたテーマでした。


私は2006年から、参議院選挙に立候補する昨年2019年の頭まで、国連WFPという機関で職員をしていました。上の記事の「日本の存在感の低下」という危機感は、私も今も強く持っています。

日本の存在感の低下と国連内部で働く幹部の少なさは少なくとも間接的には影響しますから、政府が人材育成に取り組む、というのは正しい選択です。

私は国連職員としての在職期間中に、3名のトップの入れ替わりを自分の組織で経験しました。これらを内部で見てきて、様々な国の利害関係が錯綜する国連機関トップの選考プロセスほど、不明瞭なものもないと思います。

コロナ対策で連日名前が出ているWHOのテドロス事務局長の選挙戦は、欧米とアフリカ・アジア諸国で票が割れ、中国をはじめとするアジアと、アフリカ連合の支持を受けたエチオピア閣僚のテドロス氏が勝利しましたが、このように投票でトップを決めるケースは稀ではないではないでしょうか。

ほとんどの機関のトップの選任は、すでに根回しが出来た状態で総会に上げられており、職員も総会前に内容を知っている場合がほとんどです。大事なのは、各国の思惑が錯綜する、この「根回しの時期」と言えましょう。

現在、国連機関のトップを務めているのは、ほとんどが各国の閣僚経験者です。元国連難民高等弁務官であり現在の国連事務総長を務めるグテーレス氏は、元ポルトガルの首相でした。現在のWFPトップを務めるビースリーは米国南カロライナの元州知事です。

UNDP総裁を務めたヘレンクラークはニュージーランドの首相を3期務めています。ユニセフのトップを務めたアンソニー・レークが、オバマ氏やクリントン氏の大統領選の参謀や外交アドバイザーを務めた事は有名です。

国連組織内部でキャリアを叩き上げる職員は、水も電気もない環境で月給10万円で働く現地採用のスタッフ達の信頼を勝ち得る術を、自分自身が泥をかぶる様々な経験の中で身につけていきます。これは高級官僚の立場だけでは身につきません。

候補者に必要なのは、語学力や専門的知見だけでなく、不条理を飲み込む胆力でもあります。国連機関のトップを日本から出すとしたら、現在の海外の例にならい、語学力のある日本の閣僚経験者を視野に入れるべきです。そしてタイミングを見極めた首脳レベルの介入を実行すべきです。

トランプ氏とゴルフも良いですが、こうした時にも首相は日本の候補者をしっかり売り込む気持ちはあるでしょうか。再び国際機関のトップを日本から出すためにすべき事は山積していると思います。

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