- 2020年06月27日 16:10 (配信日時 06月27日 11:50)
FC東京監督・長谷川健太の戦う集団を練り上げる再生請負人の手腕とは?【インタビュー】
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かつての名アタッカーが、今や日本サッカー界屈指の“勝てる監督”である。FC東京を率いて3年目。チームは着実な成長を遂げ、昨季は2位にまで浮上した。長谷川健太は、なぜ勝てるのか。リーダーとしてのポリシーとその手腕に迫った。2019年12月に取材し、雑誌『ゲーテ』5月号に掲載した独占インタビューを公開する。
本気で優勝を狙うFC東京が指名した「勝てる指揮官」
首都・東京をホームタウンとするプロサッカークラブ「FC東京」は、2020年、J1リーグ開幕戦を勝利で飾り、念願の初優勝に向けて最高のスタートを切った。
このチームを率いる指揮官は、日本サッカーのオールドファンなら誰もが知るレジェンド・長谷川健太である。現役時代、日本代表の一員としてあの“ドーハの悲劇”のピッチに立った名アタッカーは、引退後に指導者に転身。’13年から率いたガンバ大阪で日本人監督として史上初の国内3冠を達成するなど、いくつものタイトルを獲得してサッカー界屈指の名将となった。
一方のFC東京はここ数年、毎年のように優勝候補の一角に挙げられながらも、最終成績はいつも中位。’15年に年間4位となったが、それ以外の年は10位前後をウロウロ。首都・東京を本拠地とするプライドとして、常に優勝争いを演じるクラブでなければならない、そんな意気込みとは裏腹に、「強いはずなのに勝てない」というレッテルが定着し、’17年はついに13位にまで順位を落とした。
FC東京は、なぜ勝てないのか。その答えをどうしても見つけられずにいた’18年、クラブは長谷川に指揮権を託した。本気で優勝を狙うなら、優勝の味を知る監督を招かなければならない。フロントの想いは明らかだった。

長谷川の就任以降、FC東京は急成長を続けている。チームの雰囲気は明らかに変わった。快速FWの永井謙佑はこう振り返る。
「監督が来たことによって、チームがグッと引き締まりました。健太さんは、勝ち方を知っている監督だと思います」
大事な局面、大事な試合で勝てない“ぬるま湯体質”は、そうして少しずつ変化していく。勝利を貪欲に追い求め、練習場にさえ漂うギラギラ感。それが試合結果に表れないはずがない。
1年目の’18シーズンは前年の13位からジャンプアップして6位でフィニッシュ。2年目の’19シーズンは開幕直後の快進撃で首位に立ち、最後まで優勝を争った。最終成績は、15年ぶりの優勝を成し遂げた横浜F・マリノスと勝点6差の2位。しかしその当時を振り返る指揮官の表情は晴れやかだった。
「自分のなかで相当悔しかったのか、逆にすぐに頭を切り替えて『次の1年で勝つための方法』を考えられました。疲れ切って何も考えたくないと思うシーズンもあるけれど、今シーズンは“あと一歩”だったから『次こそ』という気持ちになる」
プロサッカークラブの監督とは、悔しさと向き合い続ける仕事だ。言葉は続く。
「勝ち負けがあるスポーツで、最後に勝つのは本当にわずかな人だけ。僕自身、39歳で監督になってからずっとこの仕事を続けているけれど、勝って終わった年は2度しかない。それ以外はずっと悔しい想いをしてきたわけですから」
それでいて、なぜモチベーションを維持して戦い続けられるのか。
「エネルギー源はふたつ。ひとつは悔しさ。悔しい想いをしないと人もチームも強くならないから、どんな結果でも冷静に受け止めて『もう一度あの勝利を』と心を燃やす。もうひとつは、勝利の味。一度でも優勝したことがある人なら、誰だって『もう一度あの景色を見たい』と思うものなんですよ」

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