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「実はコロナかも…」「誰も気にしない」クラスター多発の歌舞伎町の闇と実情

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緊急事態宣言中もコールが響いたホストクラブ

新宿駅すべての終電が終わり、歌舞伎町の本当の夜が始まる。

路地のホストクラブからは深夜もコールの声が響く
路地のホストクラブからは深夜もコールの声が響く(筆者撮影)

6月中旬の歌舞伎町、私は今日も朝までこの街を徘徊(はいかい)する。30年来当たり前の行動だが、ひとつ違うのは各所でコロナウイルスによるクラスターが起こっていることか。もっとも今だから書くが、緊急事態宣言の間も路地の小さなホストクラブからコールの声が響いていたし、デリヘルの車は女の子を乗っけて待機していた。もちろん大半は自粛していたので数そのものは少ないが、国も自治体も民間の経済活動に介入することは不可能だ。誰も助けてくれやしない世界で生きる人にとってはこれが現実である。

「命令するったってどこにすんのかね、歌舞伎町は夜の商売やってりゃみんな罹(かか)ってんじゃないの?」

花道通りの道端に立っている男が腕組みで話してくれた。他に2人、何をしているのかと聞いたら「ないしょ」と言われた。ここに立つのは内緒の人り。それでもしゃべってくれる人は貴重なのでいろいろ聞いてみる。

「ホストったってピンきりだからおっきいとこはともかく小さいとことか、ホストもどきも含めてコロナとかわかんないでしょ、デリなんかもっとわかんない」

新宿・歌舞伎町で笑顔に満ちる警察官

のんびり走るパトカー、談笑も
のんびり走るパトカー、談笑も(筆者撮影)

「わかんない」とは「国や都が把握できっこない」ということだろう。実際お手上げのようで、とりあえずの検査と要請を大手ホストクラブを中心に呼びかけただけ。そしてこの取材の数日後、19日にはライブハウスや接待を伴うナイトクラブなどの休業要請が全面解除される。警察車両は通るがのんびりしたもの、お巡りさんの声掛けも本当に声掛けで笑顔と笑いに満ちている。警察官もある意味、歌舞伎町の仲間だ。

バッティングセンター近く、ホストクラブが密集するエリアにはいかにもなセダン。私服姿で目の鋭い男二人の乗った覆面パトカーだ。この二人、歌舞伎町交番に待機していたのを私は見ている。私服警官であることは間違いない。もちろんみんな知っているので気にしない。大手はきっちり時間通りに店を閉めて、揉め事を起こさなければいいだけ。警察が絡むとやっかいというだけで、コロナなんか関係ない。

歌舞伎町の一角は渋滞。タクシーや高級セダン、高級ワゴンが列をなしている。キャバ嬢たちのお帰りだ。「お疲れ様です」と綺麗なお嬢さんがしょぼくれたお爺ちゃんの運転する黒塗りセダンの後部座席に乗る。ワゴンには女の子が続々乗り込んでいる。そのたびに渋滞が伸びて、クラクションが鳴り響く。

タクシー運転手「咳こんでいるホストは怖い」

いつまでも動かない渋滞の列に巻き込まれた空車のタクシーを拾って、ちょっと運転手に聞いてみる。

区役所通りは渋滞
区役所通りは車の列(筆者撮影)

「だいぶ(お客さんは)戻ってきましたけどまだまだですね。この時間、いつもはもっと渋滞すごいですから」

夜の街、とくにこの歌舞伎町はコロナのクラスターで世間からフルボッコに遭っているが、運転手さんは怖くないのか。

「いやあ、それね。タクシーの運転手なんて同情されたこともないでしょ。私たちもコロナに罹るかもしれないし、いまも罹ってるかもしれないのにね」

言われてみればそうだ。私はいつも不思議なのだが、震災だろうが疫病だろうがテレビの定点カメラにはいつでもタクシーが走る姿が映る。こうなってくるとある意味、警察や消防どころか軍隊より危険な仕事だ。核が落ちてもタクシーは走っているかもしれない。

「しょうがないんだけどね。仕事だからね。酔っ払って咳こんでるホストとか怖いけど、しょうがないとしか言えないね」

東口から靖国通りまで人っ子一人いやしない

職安通りに出てもらい、大ガードをくぐって新宿駅を一周、元いた場所に降りる。花道通りに比べてなんと駅周辺の静かなことか。東口から靖国通りまで人っ子一人いやしない。その後、夜中の2時くらいにその周辺を歩いてみたが本当に誰もいない。というか歌舞伎町にしてもセントラルロード、さくら通り、東通りと人はまばら。やはり花道通りこそが深夜の歌舞伎町だ。

新宿駅と靖国通りの間には誰もいない
新宿駅と靖国通りの間には誰もいない - 筆者撮影

新宿でこんな写真が撮れるほど人間がいない。花道通りとは対照的
新宿でこんな写真が撮れるほど人間がいない。花道通りとは対照的 - 筆者撮影

新宿でこんな写真が撮れるほど人間がいない。花道通りとは対照的
午前2時、モア街一帯は誰もいない - 筆者撮影

新宿通りアルタ前、タクシー以外人はいない
新宿通りアルタ前、タクシー以外に人はいない - 筆者撮影

靖国通りに近くなると閑散とする
歌舞伎町も靖国通りに近くなると閑散 - 筆者撮影

区役所通り、半ギレぎみの中国人店主曰く。

「(国に)帰れないからしょうがないね。お客さん全然いないのに!」

ウーバーイーツの出前や夜のお仕事の方々のテイクアウトだけでは家賃が厳しいという。やはり店で酒を飲んでもらわないと。ところで給付金の10万円はもう来たのか。

「来ない! 遅いよ! でもあんなの一瞬だよ!」

笑顔なので怒っているわけではないようだが、マンガの中国人のようなイントネーションでまくしたてる。住民基本台帳に名前があれば外国人でも給付金はもらえる。もっとも新宿区は印刷屋の変な子会社に任せたばっかりに遅れている。

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