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マスクについて

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 条件を変えて考えてみましょう。では、感染者がめっちゃ少ない状況ではどうか。この場合、コミュニティーにほとんどウイルスがいない状態、ということを意味しています。この場合のマスク着用効果はほとんどないか、全然ないかのどちらかでしょう。だって、ウイルスいないんだもん。いないウイルスの遮断効果は期待できません。

 よって、そういう場合はマスク着用の意味は(ほとんど)ないでしょう。本稿を書いている段階での、神戸市はこれに該当しますし、日本の大多数の地域では同じことが言えるでしょう。

 こういうときは、少なくとも路上でマスクを必須にする必要はありません。集団が発生するような場所ではマスクを着けてもいいですが、たとえ着けていなくても目くじらを立てるほどのことはないでしょう。マスク警察みたいに怒り出す人がでると、むしろそっちのほうがいろいろリスクとすら思います。

 運動したりして、マスクの着用が熱中症など他のリスクを惹起するときはマスクはしないほうがいいです。また、ソーシャルディスタンスが維持できているときはマスクの意味はゼロでしょう。何度か申し上げていますが、ぼくは周りに人がいない状態でジョギングしますが、マスクは着けません。

 さて、地域に感染症が増え始めて、ある程度感染者が周囲にいるような状況下で、かつ集団発生が防げない状態ではマスクの効果は期待できます。このとき、とくに建物の中や電車などではマスクの着用が推奨されます。

 が、すでに指摘したようにマスクだけではリスクヘッジにはなりません。やはりソーシャルディスタンスが確保される方がずっと優先されます。マスクを着けるけど隣の席に座る、みたいな矛盾満点な行為をとってはいけません。

さらに感染者が増えたときには、、、この場合はマスクもソーシャルディスタンスも不十分、ということになるかもしれません。そのときはステイホーム、という選択肢になります。

 つまり、マスクを着用することによって利益が得られる「状況」のマージンはそんなに広くはないってことです。感染者が少なすぎると、マスクは意味がない。感染者が多すぎると、やはりマスクでは心もとない、ということになります。

 検査同様、マスクの議論でも「状況判断」が必要だということを解説しました。「状況」を無視してマスクの是非を論じても意味がありません。そして、既存のデータをしっかり見て、どういう状況下でマスクの着用が正当化されるか、どういう状況下でマスクが必須となるか、そしてどういう状況下でマスクはむしろ裏目に出るかを、判断しなければならないのです。

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