- 2020年06月24日 17:45 (配信日時 06月24日 15:15)
「ホスト狩り」の惨劇で治安最悪…クラスター集中の歌舞伎町は自粛警察も行かない
1/2クラスター発生さなかの歌舞伎町へ
「こんばんは」
新宿歌舞伎町、6月初めの週末。西武新宿駅のガード沿い、新宿プリンスホテルの入り口に向かって歩いていると男性2人に声をかけられた。20代の頃はこうして歌舞伎町で声をかけられることがよくあったが、最近は少ない。ごくたまに新宿区役所裏あたりで客引きに声をかけられるが、それも昔ほどしつこくない。私は歌舞伎町のサウナを定宿にしていた時期もあったし、新宿に事務所を構えていたこともある。もうこの街とは30年の付き合いだ。

声掛けのあった西武新宿駅沿い、人はほとんどいない(筆者撮影)
「ちょっと話いい?」
男2人に威圧感はないが、客引きや勧誘でないことは肌感でわかる。ましてこんな外れで声などかけられたことはない。かけられるということは、ヤバい。かつて20歳の時、いまはなき風俗新聞社にいたこともある私は、川崎堀之内の担当だった。あの時、取材広告の未収金のいざこざの末、声をかけられ事務所に連れて行かれたのも堀之内の外だった。このような方々に、そのような場所の外で声掛けされるというのは逆にヤバいのだ。私は立ち止まった。
「どちら行かれるんですか」
ホスト狩り? 一体歌舞伎町で何が…
私は歌舞伎町のホストとコロナによるクラスターに関する取材するつもりだったが、そんなこと言えるわけもない。詳しく書けないが私は物書きのそれとは違う身分証を提示した。男はガード下のコンビニの灯りを頼りに私の提示した身分証を見る。納得したのか片方の男はもう踵を返していた。

西武新宿駅北口改札、いつもよりさらに人が少ない - 筆者撮影
「危ないですよ、気を付けて」
よく見ると私よりずっと年下の青年だったが、補導員のように諭されてしまった。もうひとりの男はすでに西武新宿駅北口に戻り再び立っている。何が起こっているのか、恥ずかしながら、私はこの前日の歌舞伎町の騒動を知らずに来てしまっていた。ひとまず花道通りに入り、ハイジアの広場(大久保病院)にたどり着く。この一角に新宿警察署歌舞伎町交番がある。とくに物々しい雰囲気はなくいつもどおり、都内のどこの交番より屈強な警官たちがいる。私はこの交番近辺にしばらくいることにした。実はこの小さな十字路は24時間営業で有名な喫茶店のある建物を背に歌舞伎町一番街の通りが見通せる。旧コマのところに男が6人いる。さっきの私と同様に、通りがかる人に声をかけているようだ。裏界隈でなにかあったのか。
コロナとは別の理由で人の少ない深夜歌舞伎町、危険な人たち
私はしばらく交番周辺から離れられなくなってしまった。1994年ごろ、いわゆる青竜刀事件の時だって私は騒動も気にせずうろついていた。粋がっていたのだろう、先輩に教えられたサウナで寝泊まりを繰り返していた。朝になるとコマの前やミラノ座の広場に座り込んで缶ビールを呑んで出社を繰り返していた。だがその時ともちょっと違う、コロナで人の少ない深夜の歌舞伎町、その少ない人の大半が危険な人たちだった。いや、コロナのせいじゃない、風林会館方向にあるおしゃれなコンビニの前にも3人いる。彼らは声をかけていないが、明らかに誰かを探しているか、待っている。つまりここから歩くと、確実にこの連中からさっきのように声をかけられる。さっきのように上手くいくかはわからない。ここで時間をつぶすしかない。大久保病院沿いの2番通りすぐのコンビニにも2人、こっちは一般の人のようにも見えるがどうだろうか。

ミラノ座前は学生さんの集団 - 筆者撮影
歌舞伎町の交番はいつもどおり、屈強かつ暇そうな警察官が3人。かつてしゃれにならない時は10人規模で集結する光景なども見たが、今日は違う。私がたまたま声をかけられただけで、たいしたことないのだろうか。それにしてもここから大きくは動けないし踏み出せない。やっぱり雰囲気がおかしい。歌舞伎町一番街方向の見える範囲にあの6人はいなくなった。旧コマと旧ミラノ座の谷間に足を踏み入れる。いつもは私からすれば何でも無い道なのに、人が少ないせいもあるが、アスファルトの反射と相まって気味が悪い。
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