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ウグイス嬢の報酬「実際は3万円というのが政界の常識」専門家が選挙制度の問題を指摘


 18日、東京地検特捜部は自民党を離党した河井克行前法務大臣と妻の案里参議院議員を、去年7月の参議院選挙をめぐり票の取りまとめを依頼する趣旨で地元議員らに現金を配った公職選挙法違反の疑いで逮捕した。県議ら94人に現金約2500万円を配布した疑いが持たれており、党から政治資金1億5000万円についても調べが進むものとみられている。

【映像】ウグイス嬢のカリスマが裏事情を激白

 この問題の発端は、ウグイス嬢への報酬問題。公職選挙法では日当1万5000円と定められているが、昨年出馬して当選した案里容疑者の陣営では倍の3万円の報酬を払っていたとされ、秘書が逮捕されている。日当1万5000円については、候補者の選挙資金格差を是正するための制度だが、ここに日本の選挙制度が抱える問題点がある。

 公職選挙法に詳しい日本大学法学部の岩井奉信教授は「今の公職選挙法は、選挙はボランティアでやるものだという前提がある。ウグイス嬢と事務所などで宛名書きをする単純労働のスタッフについては報酬を払ってもいいとなっているが、人件費が上がってきているいま、現実問題として1万5000円でウグイス嬢を集めるのは無理。実態を調べ、いくらが妥当なのか時代に合わせていかなければならない。実際払っているのは3万円というのが政界の常識だ」と問題の根本を指摘する。


「信号を無視して逮捕されたようなもの」

選挙活動でマイクが使えるのは、午前8時から夜8時までの12時間。お金に余裕がある候補者は数人を雇い、分担させるというが、余裕がない候補者の場合、一人で12時間を担当する場合も。それでも日当は1万5000円以内。候補者とウグイス嬢の裏取引は商慣習として公然の秘密になっているとも。

実際のところはどうなのか。担当した候補者の当選確率が9割以上という現役ウグイス嬢の幸慶美智子さん。この道26年のベテランはこれまで、前大阪市長の橋下徹氏や立憲民主党幹事長代行の辻元清美氏など、約400人のウグイス嬢を担当してきた。政界支持率ナンバー1との呼び声も高いカリスマである。そんな幸慶さんは今回の件について「信号を無視して逮捕されたようなもの」と話すと、次のように持論を展開した。

「時給にすると1250円。コンビニのアルバイトとプロが大して変わらない。仕事内容についてもマイクを握っている以外に様々あり、休む間がまったくない。法改正されたのは1992年、今から28年前のこと。日当が6000円から1万5000円に待遇は上がったが、それから28年間、ウグイス嬢と運動員だけ1円も変わってない。今回はウグイス嬢の報酬に関する疑惑から追及することで、河井陣営は自民党の中での派閥争いに巻き込まれているのでは」

 さらに幸慶さんはウグイス嬢の仕事の難しさについても触れ「人を振り向かせ、覚えさせないと意味がない。12時間、15秒CMの連続のよう。ナレーションを流しっぱなしで済むところを、なぜあえて人間を使うのか。お笑いの『つかみはOK』を12時間連続でやり続けないと、有権者の中には入れてもらえない」と例え話を交えながら説明した。(ABEMA『ABEMA的ニュースショー』)

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