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対中通商合意「終わった」発言は文脈を無視、合意は継続=ナバロ氏


[ワシントン 22日 ロイター] - ナバロ米大統領補佐官は22日、中国との通商合意は「終わった」との自身の発言について、文脈を無視して報じられたもので、米中通商合意は続いていると説明した。

トランプ米大統領も22日、中国との通商合意は全くの無傷だとツイート。「中国との通商合意は全くの無傷だ。中国が引き続き合意条件に従って行動することを願う」と書き込んだ。

これに先立ち、ナバロ氏はFOXニュースのインタビューで、中国との通商合意について質問されると「それは終わった」と述べ、中国の代表団が1月15日に第1段階の通商合意に調印し、ワシントンを離れた後に初めて米国として新型コロナウイルスの感染拡大について知ったことが「転換点」になったと指摘。

「その時点で中国からはすでに数十万人が米国に渡航し感染を広げていた。われわれがこのパンデミック(世界的大流行)について耳にし始めたのは、(代表団を乗せた)飛行機が離陸した数分後だった」と述べていた。

中国外務省は23日、ナバロ氏の通商合意に関する発言に軽蔑した態度で対応。趙立堅報道官は定例記者会見で「彼は一貫して嘘をついており、誠実さも信頼性もない」と述べた。

また、通商合意については「この問題に対する中国の立場は一貫しており、明確だ」と指摘。具体的な質問については関係部門に問い合わせるよう求めた。

金融市場はナバロ氏の発言に反応。米国株先物が下げに転じたほか、豪ドルなどに売りが出た。

ただナバロ氏が、自身の発言は「文脈を全く無視して」報道されたものだとの声明を発表すると、米国株先物や豪ドルなどの通貨は安値から戻す展開となった。

ナバロ氏は自身の発言について「(中国との)第1段階の通商合意とは全く無関係だ。通商合意は続いている」とし「私はただ、中国共産党が中国ウイルスの発生源について嘘をつき、世界中に感染を広げたことを受けて、われわれの信頼関係が不足していると述べただけだ」と表明した。

中国で始まった新型コロナのパンデミックが米国に大きな打撃をもたらして以降、米中関係は悪化しており、トランプ大統領や政権関係者は中国政府が新型コロナ流行について透明性のある対応をしていないと繰り返し批判している。

先週には、ポンペオ米国務長官と中国外交担当トップの楊潔チ・共産党政治局員がハワイで会談したが、トランプ大統領はその翌日、米国は中国との完全なデカップリング(分断)という選択肢を維持していると述べ、中国との関係を絶つことも辞さない構えをあらためて示した。

第1段階の米中通商合意で中国は、米国製品の購入を2年間で2000億ドル拡大することに同意したが、第1・四半期の米国の対中輸出は新型コロナによる混乱で減少。11月の米大統領選まで5カ月を切る中、トランプ政権にとって課題の1つとなっている。

OCBC銀行ウェルス・マネジメントのシニア投資ストラテジスト、バス・メノン氏は「今年下期は米大統領選を前に米中対立が激化すると予想していた」と述べた。

その上で「ナバロ氏のような対中強硬派が優勢となり、トランプ氏に対中措置を講じさせる可能性がある。今年下期は新型コロナと米中対立のダブルパンチで市場は非常に不安定になると想定すべきだ」と語った。

*内容を追加しました。

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