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sengoku38=一色正春氏英雄論の恐怖

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>>「一色正春氏(sengoku38)が尖閣諸島での、中国漁船の衝突映像をYoutubeにアップしたことは素晴らしい功績。これによって日本国民に領土問題が意識されるようになった」(フォトジャーナリスト・山本皓一氏) 「内閣の各部局に一色さんみたいな人がいて、議事録とか公開しちゃえばいいんですよ」(ブロガー・投資家・やまもといちろう氏)

サッカーワールドカップ最終予選のイラク戦が行われた9/11夜に、私のブログ記事が転載されている、ブロガーなどの記事を集めたニュースサイトBLOGOS(ブロゴス)主催で、ブロガーミーティング「最前線から考える領土問題」が開催されたので行ってきた。 サッカー最終予選があるにもかかわらず、こちらのイベントに行ったのは、Youtubeに映像を投稿した、「sengoku38」こと一色正春氏が来るからだった。彼がどんな人でどんな話をするのか、生で見てみたいと思った。

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その講演およびパネルディスカッションでの際に、講演者のフォトジャーナリスト・山本皓一氏も、パネリストのブロガーのやまもといちろう氏も、一色正春氏の映像公開を称えた。会場の雰囲気も一色正春氏の講演だけは、ひときわ拍手が大きかった。

8月に香港の活動家が尖閣諸島に上陸したことで、再び尖閣諸島がニュースで取り上げられるようになったこともあり、中国ふざけるんじゃねえという国民感情から、国の弱腰対応に苛立つ人たちが、第二、第三の一色正春氏登場待望論を期待する気持ちはわかる。

でもこれってものすごく危険な考え方だよね。結果論で見れば、一色正春氏が勝手に映像を持ち出し、勝手に映像を公開したことは、結果的には日本の国益になったと思う。でもそれはたまたま一色正春氏が、この映像を公開した方が日本のためになるという判断が、よかったからだろう。

でも一色氏の行動を可とすることは、公務員が国家公務員法に違反しようが、自分独自の判断で勝手に知り得た情報を、漏洩、公開しても構わないことを容認することになる。

たまたま一色氏の判断は正しかったかもしれない。でも一色氏のような人ではなく、単に興味本位とか目立ちたいといった動機から、国家公務員が職務で知り得た情報を一般公開したらどうなるか?「一色氏の行動が英雄視されてるんだから、オレが映像公開したって問題ないでしょ」という話になる。

例えば、尖閣諸島に上陸した中国人がいて、これは絶対に許せないと、海上保安官が中国人をボコボコに暴行したとする。もしこの映像を公開した海上保安官がいたら、一色氏のように英雄視されるだろうか?大バッシングではないか。

「なぜ中国を利する映像を流すんだ!」「おまえは中国の見方をする気か!」実際にそんな映像が流れたら、日本は外交上圧倒的に不利な立場に立たされる。

しかし海上保安官はこういう。「現場で起きている真実を公開することが、日本のためになるから公開した」と。でもこの映像公開を国益になると考える日本人がどれだけいるか?

例えば一色氏の妻は韓国籍の女性だと言われている。もし妻が中国籍の女性の海上保安官がいて、上記のような日本人が中国人を暴行する映像を公開したら、それこそ袋叩きでバッシングするだろう。「妻が中国人だから中国に有利な映像を公開しやがって」と。

現場の公務員が自分の判断で勝手に映像が公開されてしまうことは、絶対に国家として許されてはならないことだ。一色氏のように結果オーライになるケースだけとは限らない。ろくでもない公務員だって多いわけだし、それこそそんなことができたら、中国や韓国に買収されて、日本に不利な映像だけを、勝手に公開させるといったことも可能になってしまう。

一色氏の映像公開がたまたま国益になったからといって、公務員の守秘義務違反が英雄視されるようになるのは、もはや政治の統制が利かず、公務員の独自判断で、外交などがめちゃくちゃにされてしまう可能性がある。

尖閣諸島での中国の横暴が多いからといって、公務員が勝手に情報公開する危険性をスルーし、第二、第三の一色氏を求める雰囲気は非常に恐ろしい。国家対国家の争いになってしまうと、本来冷静であるべきジャーナリストやブロガーまでもが、ナショナリズムの感情論に流されてしまう恐ろしさを感じた。

情報公開をするなといっているのではない。情報公開の範囲やルールをきちんと決めて、こういう映像は国民から請求があれば、 一般に公開されなくてはならないとか、こういう映像は外交上の問題に発展する可能性があるから、公開するかどうかは政府判断によるとか、線引きをきっちりすべきだと思う。でないと結果として国益にならない情報や、個人のプライバシーを侵害するような情報が、公務員の独自判断で勝手に公開されてしまうことになりかねない。

第二、第三の一色氏熱望論に対し、一色氏はぽろっと最後に一言。「それがいいこととは限りませんよ」

外交は内政とはまったく違う。必ずしも情報公開されることが国益になるとは限らない。中国がムカつくからといって、公務員の違法行為を正当化する雰囲気こそが、国民を悲惨な戦争へと駆り立てる、一つの要因になりかねないと危惧している。

・2010年11月11日のブログ
「ビデオ流出が許されてはいけない理由」
http://kasakoblog.exblog.jp/13615375/

・2010年11月08日のブログ
「ビデオがきっかけで日中戦争になり日本消滅」
http://kasakoblog.exblog.jp/13596536/

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