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東大話法より派生した法務話法?

一週間ほど前、郷原先生が、すごいブログ記事を書かれていましたので、いくら何でもまさかと思い、7月31日の参議院法務委員会の中継を見てしまいました。
森ゆうこ議員の、「佐久間報告書におけるアンダーライン」に関する質問で、です。
○政府参考人(稲田伸夫君)
 この報告書は、原案を佐久間元部長が作成したものでございまして、それを最終的に齋藤が確認をして署名をしたものでございますが、この佐久間が起案した際に、小沢氏への報告などに関する石川氏らの供述については、小沢氏の事件に係る起訴相当議決において共謀に関する直接証拠と位置付けられている重要な証拠であり、他方、検察はそのやり取りについて具体性に欠けるなどと評価していたので、そのやり取り部分などが検察審査会に分かりやすいようにするため、その一部にアンダーラインを引いたと認めたものと承知しております。
8月28日にも、
○政府参考人(稲田伸夫君) お答え申し上げます。
 今御指摘のアンダーラインは、石川氏の供述に係る部分でございますが、特に収支報告書の不記載等に関する報告にかかわる部分でございまして、この部分につきましては、起訴相当議決、これは第一次の際の起訴相当議決でございますが、これは共謀に関する直接証拠と位置付けられる重要な証拠であるというふうにされたところではございますが、他方で、検察はそのやり取りにつきまして具体性に欠けるというふうに評価していたわけでございまして、そのやり取りの、その具体性に欠けると評価されるやり取りの部分などが検察審査会に分かりやすいように引いたものというふうに考えております。
すごい。すごすぎる。
冗談かと思っていましたが、開いた口がふさがりません。
さすがにあの報告書を書いた人たちだけのことはあります。
東大話法の華麗なる進化形という感慨すらあります。

普通は、アンダーラインというのは「重要」な場所を強調するためのものですが、法務検察では、「具体性に欠けるなあと評価したところ」に引くものなのだそうです。
それが、世間一般の常識だと思っておられるのだそうです。
横書きの文章の中で、強調・注意すべき語句の下に引く線。下線(かせん)。
という大辞泉も
心覚えや注意をひくため、横書きの文章の必要な箇所の下に線を引くこと。また、その線。下線。
という大辞林も
ある文字を強調したり,目立つように文字の下に引かれる線のこと.
というコンピュータ用語辞典も

ぜーんぶ「間違っている」と、少なくとも「法務省と検察庁では、間違っている」ということなんですね。そうなんですね。
来年から司法試験を受ける方は要注意です。法務省の書類では、アンダーラインを引いている箇所は、「具体性に欠ける部分」をさすのだそうです。
じゃあ、これから私たちは、どうやって、「具体的に強調したい箇所」を示せばいいんでしょう?

落合洋司先生に、
こういった惨状を呈するまでに至っているのは、特に知能犯捜査について、従来の手法では供述が取れなくなり、証拠に基づかない、裏付けられない「見立て」が暴走し証拠を見立てに合わせてでっちあげてしまうような捜査が常態化し、それが表面上、結果において成功したかのような外観を呈してきただけに(検察盲信の裁判所や提灯持ちのマスコミのアシストも得て)、一種の薬物中毒者のような状態になり、気がついたら体中がボロボロになっていた、というのが現在の姿でしょう。
 http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20120910#1347262770
とまで書かれてしまった検察ですが、一方で、「小学校の国語の時間に作文の悪い所を赤鉛筆で先生に指摘された事を思い出した。これと同じじゃないのか」というご指摘もあります。

特捜の報告書は、小学校の作文レベルということですが、それならそれで、そんなものを検審にわかりやすくするために出すというのが、そもそもおかしいし、それが自作自演というのももっと不自然。
こんな言い訳を、捜査のプロ中のプロが真面目に国会で答弁するのは、苦しまぎれや滑稽を通り越しています。

やはり、検察はいっぺん解体するしかないのでしょうか。

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