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「18歳の意識調査」―9月入学:賛成38.4%、反対31.2%―

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う休校の長期化を受けて関心が高まったテーマの一つに「9月入学」がある。全国17県、さらに東京都や大阪府の知事も政府に前向きの検討を求め、安倍首相も5月中旬の記者会見では「有力な選択肢の一つだ」と発言。メディア各社の世論調査でも「賛成」が「反対」を上回るケースが目立った。

しかし、仮に来年から9月入学を実施するとなると、2014年4月2日から1年5カ月の間に生まれた子供が新入学の対象となり、一時的に教師や教室の大幅不足が発生するほか、その間の保育園確保など課題が多く、全国市長会や全国町村会の8割以上が慎重な立場を打ち出し、自民党の作業チームも「直近の導入は困難」と提言。結局6月2日、長期的な検討課題とすることで、来年度からの導入の見送りが決まった。

概ね、こんな経過だったと記憶するが、それでは大学受験を終えたばかり、あるいは来春に控える17~19歳の若者はどう考えているかー。そんな狙いで5月26日から3日間、第26回目の日本財団・18歳意識調査を、「学校教育と9月入学」をテーマに行った。この結果、回答を寄せた1000人のうち賛成は38.4%、反対31.2%、わからないが30.4%と答えは3分された。



賛成理由は「休校による授業の遅れを取り戻せる」が81.3%と断然のトップ。「冬季を避けた入試が可能」、「留学がしやすくなる」が30%台で続き、反対理由は「入学試験に影響する」(55.4%)、「春入学・春卒業が日本の文化」(39.1%)、「移行に伴う個人負担が増える」(36.9%)などとなっている。

「休校により最も困ったこと」のトップは学業の37.4%。友達とのコミュニケーション、受験や進学・就職が20%前後で続き、「休校措置により教育格差を感じることがある」との回答も58.6%に上っている。塾に通っているか否か、勉強を教えてくれる大人の存在、オンライン授業に取り組む学校の姿勢の違いなどが格差を感じる主な理由で、打開策としては「オンライン授業を増やす」(52.5%)、「夏休みなどの長期休暇を減らす」(38.8%)などが上位に挙がっている。

第2波、第3波の感染拡大で再度、休校措置が必要な事態が発生するかどうか見通しは立たないが、自由記述ではオンライン授業について「不登校児でも授業に参加できる」といった前向きの意見も見られ、今回のコロナ禍をきっかけに、オンライン授業が教育現場に急速に普及する予感がする。

このほか全国高校野球選手権大会や全国高校総体など催しの多くがコロナ禍で中止となる中、3分の2以上(68.3%)が延期や無観客、引退試合など様々な工夫を凝らすことで何とか開催されるよう希望、部活動の集大成でもある大会の開催に強いこだわりを見せている。

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