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テレビはキャスティングでYouTubeに勝てない!? 番組がタレントを選ぶ時代から、タレントが番組を選ぶ時代へ

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みなさんは外出自粛期間中、おうちでどんなエンタメを楽しんでいましたか? テレビの総世帯視聴率は同年比で約10%増、Netflixは会員数が世界で1500万人増(1〜3月)と、ユーザーが映像コンテンツにふれる時間が増加しています。そんな中で、テレビとYouTubeの今後を占う衝撃的な現象が起こりました。


放送作家の谷田彰吾です! はじめましての方のためにご説明しておくと、僕は現役のテレビ放送作家です。でも、作っているのはテレビだけではありません。Wednesdayという会社で「デジタルメディアレーベル(DML)」というサービスを立ち上げ、芸能人のYouTubeでの活動をプロデュースしています。

現在、講談師の神田伯山さん、『おかあさんといっしょ』元体操のお兄さんのよしお兄さん、芸人のMr.都市伝説 関暁夫さん、元メジャーリーガーの上原浩治さん、ファミリーで大人気の芸人・はなわさんなどのチャンネルを運営したり、制作したり、企画をサポートしたり、コンサルティングしたりと、微力ながらお手伝いさせていただいています。

芸能人のYouTube進出はますます盛り上がりを見せています。手前味噌で恐縮ですが、先日、弊社で運営・コンサルティングさせていただいているYouTubeチャンネル『神田伯山ティービィー』が、2019年度のギャラクシー賞・テレビ部門フロンティア賞を受賞しました。

ギャラクシー賞というのは、テレビ・ラジオといった放送における『アカデミー賞』のようなもの。放送文化の質的向上を目指し、優秀番組・個人・団体を表彰する1963年から続く歴史ある賞です。『神田伯山ティービィー』は、これをYouTubeとして初めて受賞しました。(テレビ部門だけどYouTube、YouTubeだけど『ティービィー』、ちょっとややこしい(笑))

誤解を恐れずに言えば、YouTubeの動画はこれまで、総じて質の低いコンテンツとみなされてきた部分が少なからずあると思います。しかし、今回のギャラクシー賞は、YouTubeの個人チャンネルがコンテンツとして価値あるものであると認められた証ではないでしょうか。これもひとえに、神田伯山さん、事務所の方々、ディレクターさん達の努力の賜物です。

近い将来、芸能人が1人1チャンネルを持つ時代が、必ず到来すると思います。このコラムを読んでいる方々なら、きっといくつかチャンネル登録していることでしょう。どうですか? コロナ禍でバズった動画やチャンネル、思い当たるものありますか? 僕はコロナ禍で痛烈に感じたことがあります。

錦戸亮&赤西仁が見せたテレビにできない離れ業

NO GOOD TV

近頃はYouTubeに携わっている放送作家たちと話す機会が多かったのですが、誰もが「あれはすごかった!」と口を揃えた動画があります。

それは元関ジャニ∞の錦戸亮さん、元KAT-TUNの赤西仁さんが始めたYouTubeチャンネル『NO GOOD TV』のVol.4。そうです、俳優の小栗旬さんと山田孝之さんがゲスト出演して話題になった、あの動画です。

これはもうシンプルにぶったまげました。「なんだこのメンツは!」とおじさんが年甲斐もなく興奮するレベル。みなさんよく考えてみてください。ジャニーズ事務所から独立し、テレビではめっきり見かけなくなった2人がトークしているだけでも貴重なのに、そこに花沢類と村西とおるがトッピングされてるんですよ? 「スター増し増し」、ふんだんに「追いスター」した超豪華な一品です。

しかも、内容がまたすごい。それぞれの自宅や仕事場をビデオ通話でつなぎ、プライベートをチラ見せ。友達同士だからこそできる超自然なトーク。あの赤西仁が「おしっこ行ってくる」と発言してしまうラフさ…(かつてデビュー曲で舌打ちをキメていて、不良キャラだと思っていたので「しょんべん」ではなく「おしっこ」と言ったことに軽い衝撃を受けたのは僕だけでしょうか)。こんなのさすがに見たことがありません。

ファンは気絶ものだと思いますが、そうでないおじさんでもこの貴重さには震えます。そしてもうひとつ付け加えるなら、これが「無料」で見られるスゴさ。1万円のDVDにしても売れる破壊力があるメンツだと思います。

そうなんです。今回のポイントは、この「ありえないキャスティング」にあります。

コロナ禍のYouTubeでは、他にも驚きのキャスティングがありました。渡辺直美さんの生配信には、あの星野源さんが登場。

さらには、『おかあさんといっしょ』元体操のお兄さん・よしお兄さんが発起人となり、歴代のお兄さんお姉さんがリモート合唱を行った『ぼよよん行進曲』の動画は、700万再生を突破(6月8日時点)。『おかあさんといっしょ』で放送していた歌なので本来はお子様向けなのですが、動画を見て泣いてしまう大人が続出。コロナ禍の癒やしとして、幅広い視聴者に届きました。

この3つの動画に共通するのは、出演者本人同士の関係値がベースになってキャスティングが成立していることです。「仲が良いから」「先輩後輩だから」という個人的なつながりが発端となって生まれたコンテンツ。もちろん、コロナ禍だからこそのサービス精神が存分に働いているのは間違いありませんが、上記のようなキャスティングをテレビがやろうとしたら… 僕はかなり難しかったのではないかと思っています。そこには、テレビのキャスティングとは違う、YouTubeならではの常識が根底にあるのです。

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