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防衛大が軟禁状態で異常事態 脱走、不審火、自殺未遂、賭博

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今年の卒業式での「帽子投げ」(時事通信フォト)

敷地内で2000人の学生が「軟禁状態」に(写真/AFLO)

 新型コロナウイルス対応では、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」など現場の最前線で活動し、感染者を出さずに任務を遂行した自衛隊。大規模災害などのたびに、その活動が称賛されてきた自衛隊だが、今回の危機では将来の幹部自衛官を養成する「防衛大学校」の内部で、“戦線崩壊”ともいえる状況が起きていた──。

【写真】防衛大の敷地。周りを囲む広大な森、芝のグラウンドや陸上のタータンも。海は目の前

2000人が“軟禁状態”

 神奈川県横須賀市の三浦半島東南端、高台から東京湾を見下ろす地に、「防衛大学校(以下、防衛大)」はある。

 自衛隊の将来の幹部自衛官を養成することを目的に設置された大学校で、4学年で約2000人が敷地内の寮(学生舎)で集団生活を送っている。

「鋭気に満ちた諸官の姿に接し、自衛隊の最高指揮官として、誠に心強く思います」──。

 3月22日に行なわれた卒業式で、安倍首相はそう訓辞を述べた。だが、その卒業式から春休みを挟んでわずか1週間後から、防衛大の“異常事態”が始まっていた。

「私たち学生は、3月29日に営内(学内)に戻り、4月1日に1学年(1年生)を迎え入れました。学生舎では上級生から下級生まで8人単位の居室で生活します。

 しかし、学生たちは集められたものの、新入生の身体検査といった手続きを除けば、訓練も授業も全く行なわれず、その上に敷地からの外出が許されない“軟禁状態”となってしまいました。ストレスが溜まる状況のなか、脱柵(脱走)や自殺未遂が相次ぎ、挙げ句は賭博行為が発覚したり、放火が疑われるボヤ騒ぎまで起きているのです」

 そう話すのは、最近になって自主退学を決めた元防衛大生だ。同様の判断をする学生は多く、「すでに4月以降、30人以上もの自主退学者が出ていて、どんどん増えている」(防衛大関係者)というのである。将来の自衛隊を担う人材を育てていく組織にとって“戦線崩壊”ともいえる状況だ。

 およそ2か月の間に、防衛大で何が起きていたのか。元学生が続ける。

「新型コロナの影響で4月5日に予定されていた入校式典は延期(5月になって中止を発表)になり、その直後の同7日に緊急事態宣言が発令されました。結果、教務(授業)や校友会(クラブ)活動の時間がすべて自習時間ということになった。

 私たちの居室は、『寝室+自習室』がセットになっていて、自由に移動できるのは学生舎の中だけ。起床後は清掃と食事、自習時間の繰り返しで、夕方に入浴して夕食というサイクルをひたすら続ける日々となった」

 この生活が、とくに防衛大に入ったばかりの新入生には相当なストレスとなっていたという。

「上級生の指示には絶対従うという組織ですから。上下関係の厳しさはコロナに関係なく平常時も同じですが、授業や訓練があれば、そこでは同じ学年だけになる。それでストレスが緩和されるのですが、コロナで授業がない上に、普段は認められている週末の外出もない。毎日24時間、同じ居室の上級生たちと一緒になるわけです」(同前)

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