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都構想に賛成でも反対でも、住民投票は今じゃない

 6月19日に第35回大都市制度(特別区設置)協議会<以下、法定協議会>の開催が予定されており、大阪市を廃止分割して特別区を設置する、いわゆる「大阪都構想」の是非を問う住民投票の元となる特別区設置協定書(案)の採決がなされる。

 法定協議会は、大阪府会・大阪市会の会派人数に応じで委員が割り振られており、維新の大阪府知事・大阪市長も委員となっていることから、維新が過半数を占めている。加えて、公明党も都構想に賛意を示しており19日の採決は可決見込みで、かねてから維新の代表である松井大阪市長が言及されていた11月1日の住民投票が現実味を帯びることになる。

 法定協議会での可決後のスケジュールとしては、総務大臣への報告(その後、大臣より回答)手続きに約40日程度を要し、大阪府議会・大阪市会での議論を経て議決。両議会で可決されれば、知事・市長が法定協議会に報告をし、その報告から60日以内に住民投票が実施されることとなる。

 松井市長は、新型コロナウイルスの感染拡大の状況を勘案して11月の住民投票実施の可否を判断する時期を、議会の議決があると目される9月としている。
 確かに、第二波と言われる感染拡大が9月頃に見られて、緊急事態宣言が再び発令されるようなことがあれば、当然に住民投票どころではないという判断になる。しかし、現状のように大阪モデルが緑信号を示し続けていれば住民投票を実施することに問題はないのだろうか。

 緊急事態宣言の最中においても、各級選挙は実施されており、7月にも東京都知事選挙が予定どおり実施されることを考えれば、住民投票も同様に許容されるべきであるという意見もあるが、任期の定められた(選挙が実施されなければ任期の延長、あるいは空白の生じる)必須の首長・議員選挙と異なり、住民投票は今この時の必要性と住民投票で問われる内容について慎重な判断をしなければならない。

 今、大阪市内で生活をしていて、都構想や住民投票に対する関心度は非常に低いと感じる。一方、政治の現場においては、11月の住民投票の実施が至極当然のように動き出している感もある。この乖離が示すように、感染拡大が落ち着きをみせているとはいえ、コロナ禍の影響を大きく受けている社会経済情勢を冷静に考えれば、今後の新しい社会づくりも含めてのコロナ対策に、政治は最大限の力を注ぐべきである。

 コロナ禍を踏まえて『大阪2020住民投票』は延期すべきである。

 都構想そのものに根本的に反対されている方々の中には、既に住民投票は2015年に実施されて決着がついており、再びの住民投票の実施そのものに問題があるとの考えもある。しかし、ここはより幅広い方々に、大阪において2020年にいわゆる「大阪都構想」の住民投票を実施することの課題認識を共有して頂く必要があるということで、以下の5点を理由として提示したい。

(1)未だ市民理解を深める十分な活動ができる環境ではない
(2)住民投票にかける人・金・時間は、コロナ対策に今は使うべきである


コロナ禍の影響で中長期の財政シミュレーションなども大きく変わる
(3)コロナ禍を受けての社会経済情勢の変化を踏まえての議論が全くされていない
(4)区割りなど協定書(案)にも影響があるし、感染症対策のあり方などについて議論を深めておく必要がある


(5)恒久的な府市一体を導く制度改正に、緊急性はない

 現状に照らし合わせて考えれば、上記の理由は都構想に対して賛成している方々にも、反対している方々にも、都構想の内容はよく分からないという方々にも、共感して頂けるのではないだろうか。

 詳細、具体の現状に触れつつの説明については後日に譲ることとする。

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