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米国で高まるチャイナ不満…香港問題で中国は、アメリカに「絶対勝てない」

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バイデンも意外と中国に強硬的だった

日本での米国論評ではドナルド・トランプ大統領がジョー・バイデン元副大統領に対して中国に対して強面の対応を行うとする向きが多い。また、万が一バイデンがトランプに勝利した場合、親中的な外交安全保障方針に転換する可能性を恐れる声も少なくない。多くの日本人有識者がバラク・オバマまでの歴代大統領と比べて、トランプ大統領の中国に対する言動の厳しさから、そのような印象を持つことは自然なことだろう。

2018年6月2日、2020年の大統領選挙のトランプ陣営のキャンペーン。ジョージア州、ヘレンにて
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/BluIz60

しかし、米国の政治的プレーヤーの対中姿勢は大きく転換しつつあり、バイデンが中国に対して弱腰であるとする見方は必ずしも正しいものとは言えなくなっている。

現在、中国に対してトランプとバイデンのどちらが強硬なのか、これは2020年大統領選挙のテーマの1つとなっている。そして、共和党側・民主党側ともに相手に対して一歩も引かない姿勢を打ち出している。

米国大統領選挙では、CMが選挙キャンペーン上重要な意味を持つ。特に自陣営のポジティブな要素を伝える宣伝だけでなく、相手陣営のネガティブな要素を強調する広告は極めて有効なツールとして活用されている。いわゆるネガティブキャンペーンである。

バイデンはトランプの中国擁護発言にチクリ

トランプ陣営の選挙キャンペーン団体であるAmerica First Action Super PACはバイデンの過去の40年間の親中的な発言を取り上げた“Forty Years."というCMを開始、バイデンの親中姿勢を徹底的に批判している。バイデンは動画の中で「中国の台頭は望ましい発展だ」と明言した過去の発言がバッチリと引用されている。

ところが、その親中姿勢で批判されているバイデン陣営もトランプの中国擁護発言をやり玉に挙げた広告を投入し始めている。動画内ではトランプが、新型コロナウイルスが蔓延している状況の中で、中国の対応を称賛するコメントや米国を蔑ろにした中国への救援物資の提供などの事実が何度も引用されている。そして、中国に対して米国の調査団派遣などの強硬な対応を主張してきたのはバイデンだ、とされている。

「自分のほうが中国に対して強硬だ」

メディアの取材に対し、バイデン陣営の上級顧問を務めるジェイク・サリバン氏は下記のように回答している。

「2つのことを行うつもりだ。それはトランプ氏の中国へのアプローチにおける壊滅的な一連の失敗の責任と、厳しい主張と弱い行動の間の巨大なギャップを説明することだ」

つまり、トランプもバイデンも相手の対中姿勢を批判し「自分のほうが中国に対して強硬だ」と主張し合う選挙戦の展開となっているのだ。この背景には米国民の中国に対する感情の著しい悪化がある。トランプ・バイデンの双方にとって中国に対する反中ナショナリズムの波にうまく乗ることは選挙戦を左右する重要な要素なのだ。したがって、トランプだけでなくバイデンも今後更に強固な反中発言を繰り返すことは容易に予想される。

軍事大国化しつつある中国は、米国の覇権を脅かす存在に

そして、米国の反中姿勢は共和党・民主党の双方のコンセンサスに基づくものだと見るべきだ。

一昔前まで米中関係は共和党・民主党のいずれであっても良好なものだったと言えるだろう。1980~2000年代初頭は当時世界第2の大国であった日本に対して東アジア内の対抗勢力を育てる意図も含みつつ、米国人の誰もが豊富な労働力や魅力的な国内市場の誘惑に誘惑されていた。ジョージ・ブッシュ(父)、ビル・クリントン、ジョージ・ブッシュ(子)、そしてオバマ政権の前半期までは党派に関係なく中国を露骨に敵対視する政治家は少なかった。

しかし、2020年現在、経済成長を遂げて軍事大国化しつつある中国は、米国の覇権を脅かす存在となっている。従来指摘されていた中国の知的財産権の窃盗や不公正な貿易慣行が問題視されただけでなく、国家安全保障上の最も重要な脅威の1つとして中国が明確に定義された。

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