新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、自宅で過ごす時間が増え、新たに料理に挑戦している人も多いかもしれない。野菜炒めやカレーなど手軽なものから、コロッケ、ロールキャベツなど手間がかかるものまで、その出来栄えに一喜一憂するのも料理の醍醐味だ。
手間がかかる料理の代表格といえばハンバーグ。みじん切りした玉ねぎを炒めたり、合い挽き肉を手でこねたりと作業は多い。そんなハンバーグをめぐって、「氷を混ぜて焼くと、味が格段に上がる」との情報がネット上で話題になっている。その真偽について、日本ハンバーグ協会理事長のバーグマン田形さんに尋ねてみた。

ハンバーグは氷を加えて焼く 「皆んなしないの?」
Twitter上で話題となったきっかけは、10日午後2時11分に投稿された次のツイートだ。
ハンバーグを焼くときに真ん中に氷を突っ込んでたら、友人に「え?何やってんの?」とびっくりされたんだけど、皆んなしないの?氷を突っ込むだけで、食べると肉汁ブシャーでふんわり柔らかく仕上がるし、市販のハンバーグでも生なら中に氷絶対突っ込んで焼くべきだよ。全然違うよ。(写真は借りた) pic.twitter.com/82rXvFOQwF
— 雲丹肉ちゃん (@oniku117) June 10, 2020
中心に氷が乗せられた焼く前のハンバーグの写真とともに、「食べると肉汁ブシャーでふんわり柔らかく仕上がる」とのコメントが添えられている。このツイートは12日午前7時現在で27万件のいいねが付き、「シェフとかもやってる」「知る前と後でかなり違う」など共感する声が寄せられている。
一方、「初めて知りました」「肉で包んだ小籠包の中身みたいになるのか」といった反応も目立つ。テレビ番組で見た覚えがあるという人も多いものの、“知る人ぞ知る”裏技と言えそうだ。
投稿した人は続くツイートで、次のようにも説明している。
「ハンバーグによっては肉汁ブシャーというより、肉汁たっぷりって感じになるから溢れ出る肉汁とまでは行かないかもしれない」「ただこの方法で焼くとカチカチにはなんない。」
「よく知られた裏技」 ふっくらした食感に
「ハンバーグ業界ではよく知られた裏技の一つです」。そう指摘するのは、1日1食はハンバーグを食べるというバーグマン田形さんだ。
「肉をこねる際に氷を混ぜることで、蒸し焼きの状態になるのです。そう話す田形さんによると、肉汁が氷の水分と一緒になることでふっくらとした食感となり、焦げにくくなるメリットもあるという。つなぎのパン粉の代わりにお麩を使ったり、マヨネーズを混ぜたりして肉汁を閉じ込めるテクニックもあるそうだ。

ネット上では他にも、氷に加えて牛脂を入れたり、氷ではなくブイヨンを凍らせたものを混ぜて焼いたりする裏技も紹介されている。ほんの一手間加えるだけで、味は格段に上がるという。せっかく料理を楽しむなら、いろいろな裏技を試してみるのもいいかもしれない。