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事務連絡、という名の文書違反

候補者本人の知らないところで小さな違反が起きているのが、選挙の現実である。

選挙の神様、と称される人が大抵はどこにでもいるものだ。
選挙の神様は、どこまでなら許容範囲か、どういう対策を講じておけば摘発を免れやすいか、ということを経験的に知っている。

選挙の神様がいたからと言って、必ずしも一緒に勝利の女神がやってくるわけではないが、神様は神様。神様がいれば、祟りは少ない。

もっとも、選挙の神様も公職選挙法の改正を必ずしも全部正確にフォローしている訳でもないので、時々間違ったことを教えることがある。
神様だって間違いがあるさ、というのが選挙の現場である。

事務所開きの案内、出陣式の案内、どこの駅頭で街頭演説会を開催するかのチラシ、応援弁士来るの立看板、候補者の名前を書いた幟、などなど、扱いに困る選挙用文書がワンサとある。

文書違反は選挙管理委員会から注意されたら直ちに中止、ぐらいの感覚でどの陣営でも対処しているようだ。相手の陣営に煩いのがいれば、当然注意する。

私は大雑把だから、いちいち相手陣営を文書違反で突くようなことはしない。
相手にとってこんなにくみし易い敵はいなかったろうと思うが、相手陣営を突けば自分の陣営も突かれる。お互い様、というところがある。

警察がどんなことに関心を持ち、どんなことを取り締まろうとしているか、よく情報収集して、万が一つにでも摘発されることの無いようにしている、というのが、選挙の神様が張り付いている陣営の選挙である。

私の陣営に果たして選挙の神様がいたのか私自身は疑問に思っているが、私の最初の選挙のときは、選挙の投票箱が閉まる寸前には選挙事務所から一切の文書類が綺麗になくなっていた。

これが神様の仕業かと思ったものだ。
後で往生したものだが、選挙違反で摘発されることの恐ろしさを肌で知っている人は、そこまで心配するものだ。

選挙が終わったら、選挙の実務を担当した人間は選挙違反取締り本部が解散するまでどこかに行ってしまって、誰も連絡が取れない、などということもある。

それくらい選挙の現場は、危険が一杯と言ってよい。
選挙そのものには、素人の方は迂闊に首を突っ込まない方がいい。
それが、私の15年間の経験から得た一つの教訓である。

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