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第2次補正予算

 6月第2週の国会審議は、新型コロナウイルス感染拡大に対応する2020年度第2次補正予算案が焦点となります。

 2次補正の内訳は、雇用調整助成金の拡充に4,519億円。企業への融資や資本支援の強化に11兆6,390億円。店舗の賃料の負担を軽減するための家賃支援給付金の創設に2兆242億円。医療提供体制の強化に2兆9,892億円。自治体から要望が強かった地方創生臨時交付金の上積みに2兆円。低所得のひとり親世帯への追加的な給付に1,365億円。申し込みが殺到している中小企業向けの持続化給付金の対応強化に1兆9,400億円など。

 一般会計からの支出は1次補正(25.6兆円)を上回る31兆9,114億円に達し、補正予算としては過去最大規模となります。私たち野党の要求もかなり盛り込まれていることは評価しますが、予算のフレームについては厳しく指摘をしなければなりません。

 まずは、巨額予算の財源です。既定経費の減額は、議員歳費の2割カットによる僅か20億円のみ。赤字国債22兆6,124億円、建設国債9兆2,990億円でほとんど全てを賄うことになっています。青天井の借金財政です。将来世代の負担を思うと気が重くなります。

 東日本大震災が発災した時、私は財務大臣でした。震災発生後最初の補正予算となる2011年度第1次補正予算の編成責任者です。災害救助等関係経費、災害廃棄物処理事業費、災害対応公共事業費、災害関連融資関係経費など歳出規模は4兆153億円となりました。財源は基本的に当初予算の既定経費を減額する形で賄い、国債の増発は全く行いませんでした。

 総額102兆6,580億円の令和2年度一般会計予算は、もともと水膨れ予算です。カジノを含むIRなど不要不急の事業を徹底して見直せば、数兆円規模の財源捻出は可能だったはずです。しかし、今回は既定経費への切り込みは全くありませんでした。

 次は、10兆円に上る巨額予備費の問題です。災害など予見し難い予算の不足に充てるため、使い道を決めずに予備費を計上できることは、憲法87条も定めています。しかし、補正予算の3分の1が予備費というスキームは、あまりにも粗過ぎます。

 何よりも、国家が財政を動かす際には国民の代表から構成される議会の議決が必要であるとする、財政民主主義の精神に反します。しかも、10兆円です。東京都と千葉県の一般会計予算を合わせても9兆円台ですから、それ以上の巨額が使途未定で許されるのでしょうか。

 加えて、国会のチェックもなく安倍政権に10兆円も白紙委任していいのでしょうか。総理本人しか着用していないアベノマスクは、明らかに無駄づかいでした。持続化給付金の運営では、実体のない団体による中抜きの疑いが浮上しています。10兆円の財源も国債発行であり、将来世代の負担になることを忘れてはなりません。

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