日本、中国批判声明に参加拒否 https://reut.rs/3eYc0wV
確かに、中国からすれば香港問題というのは所詮は外縁のファクターに過ぎないわけですけど、影響力はおおいに衰えたとはいえ中国にとっても便利な欧米との玄関口であり、また、都合によってうまく使い分けられる一国二制度の温存をするために「否定しつつ、肯定する」関係だったと思うんですけどね。
一連の「国家安全法」を巡る香港での動乱の過激化と、アメリカでの無実な黒人の警察官による殺害事件による抗議行動の広がりとは同一視してはならず、前者は参政権のない中で奪われた地位や権利を香港市民が取り戻すための活動である一方、後者はアメリカ国民に与えられた自由の範囲内で抗議活動やデモを行っているものであって、暴動・略奪に類さない限りは大規模抗議活動が起きたところで自由なんですよ。何度でも言います。残念です。#中国批判声明https://t.co/cSu6Y319wd
— アムネスティ日本 (@amnesty_or_jp) June 7, 2020
中国の人権状況は決してよろしくなく、台湾との関係悪化や南シナ海への進出、尖閣諸島にも出てきている中国の現状があります。香港問題をそのまま認めてしまった場合は台湾が明日の、日本が明後日の香港になる恐れも否定できないわけですから、経済面で、貿易でも技術でも互恵関係にある日本と中国の唇歯の間柄があるとは言えども、民主主義国として強烈な人権抑圧の危険が深まっていることに対してきちんと抗議、批判をしていかなければならないのじゃないの、とは思います。
香港に関する共同声明 | 在日米国大使館・領事館 https://jp.usembassy.gov/ja/joint-statement-on-hong-kong-ja/
https://www.state.gov/joint-statement-on-hong-kong/
で、なぜか自由民主党の片山さつきさんが出てきて、こんなことを書いています。
どこから突っ込んでいいのか分かりませんが… 外務次官の秋葉剛男さんにうまくあしらわれた形になっていますけれども、前述の通りアメリカからの声明案は5月28日と一週間以上前に文案が出ているものです。「突然言われても」とも言いづらいものではないかと思います。香港安全法制めぐる中国批判声明に日本は参加拒否 欧米は失望も #ldnews https://t.co/3hMv8r2KwAたった今外務次官と話しましたが、G7で香港問題につき中国大使を呼んで抗議したのは日本だけ!外相も官房長官も明確に発言!その声明には独仏も参加しておらず、突然言われても、というだけの話だそう。
— 片山さつき (@katayama_s) June 7, 2020
また、G7で香港問題について中国大使を呼んで日本が抗議したのは事実ですが、それであるならば、イギリスやアメリカ、豪加の妖精に基づいて声明に賛同することは何も問題なかったはずです。そもそも、そのG7では共同宣言において香港問題に言及しており、この時点からすでに香港情勢は悪化している以上、G7による宣言そのものを中国が踏みにじるものであることは当然指摘されるべきだろうとも思います。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000510268.pdf
[Quote]そのG7に日本も参画して共同宣言を行い、当事者であるイギリスが主となって「中国は英中共同声明には違反している」と明言されている以上、経済関係を考えて中国への批判声明に賛同しない日本はむしろG7の合意を踏みにじっているとも言えます。
Hong Kong
The G7 reaffirms the existence and importance of the Sino-British Joint Declaration of 1984 on Hong Kong and calls for violence to be avoided.
[抄訳]
香港
G7は,1984年の(香港返還問題に関する)英中共同声明の存在を再確認し、(デモ鎮圧などに統治における)暴力を回避することを求める。
「中国は完全に共同宣言違反」リフキンド元英外相、香港政策批判 単独インタビュー - 毎日新聞 https://mainichi.jp/articles/20200605/k00/00m/030/200000c