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「拉致被害者」を救出するべき存在がいない日本

■「申し訳ない」の本当の意味

 「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」の前会長だった横田 滋氏が逝去された。

 この一報を受けて、政治家からは「申し訳ない」、マスコミからは「残念だ」との意見が聞かれるが、何が申し訳ないのか、何が残念なのか、その具体的な説明が省かれているように思われる。

 「(拉致被害者を奪い返すことができず)申し訳ない

 これが、建前として省かれている言葉だと思われるが、更に本音部分を追加すると以下のようになるのではないかと思う。

 「(拉致被害者を奪い返すための憲法の改正ができず)申し訳ない

 この件で、野党の政治家達が毎度のように安倍総理を批判できないのは、結局のところ、拉致被害者問題を解決するためには、まず憲法の改正を行う必要があることを少なからず認識しているからだろうと思われる。無論、憲法を改正したからといって、拉致被害者問題がすぐに解決するというわけではないが、それが大前提になることを理解しているからなのだろう。

 本当の問題は、現行の憲法下では日本には「主権(対外主権)」が認められていないため、他国に国民を拉致されても、それを奪い返す存在がいないということに尽きる。

■「拉致被害者」という悲劇の主人公が生まれた理由

 現代の日本では悪いことだと思われているが、戦前、当然のように「主権」を持っていた日本なら、他国に国民が拉致されたのであれば、すぐにでも奪い返しに行ったと思う。逆に言うなら、戦後、日本は「主権」を持たなかったために、拉致被害者が生まれたと言っても過言ではないと思う。奪い返しに来る人(軍隊)がいないという弱みに付け込まれたことが拉致事件が起こった大きな原因でもあるからだ。

 マスコミはこれまで、拉致事件が発生した原因も、拉致被害者を救出する具体的な方法も全くと言っていいほど報じてこなかった。

 国家主権というものは「武器」にも「防具」にも成り得る。しかし、戦後の日本では、国家主権は「武器」にしかならないと思い込まされ、「防具」としての役割を無視し続けてきた。それは平和な時代であったからこそ許された誤解だった。しかし、その呑気な誤解によって、不幸にも他国に拉致されるという多くの悲劇の主人公が生まれてしまった。

 国内の誘拐事件を解決する「警察」はいても、国外の拉致事件を解決する国家主権としての「軍隊」という組織を持ってはいけないことになっている日本では、拉致被害者を奪い返しに行くことができなかった。これも戦後、左傾化した日本の最大の悲劇の1つであることに違いはない。

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