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洪水対策:縦割り行政を排し、新たに八ツ場ダム50個分の洪水調整機能を確保

今週「既存ダムの洪水調節機能強化に向けた検討会議」を開催し、梅雨や台風などの大雨に備えた洪水対策を取りまとめました。

10月の台風第19号をはじめとした一連の記録的な豪雨は、東北、関東甲信越を中心とした広範な地域において大きな被害をもたらしました。中上流域を中心に71河川の142カ所で堤防が決壊して、洪水が発生した地域の被害は甚大なものとなりました。

これを機に、昨年11月に私の指示で、水害対策としてもっと今あるダムを活用するための各省検討会議を官邸に作りました。

全国には1470のダムがありますが、このうち水害対策を担当する国交省が所管するダムは570で、そのほか経産省が所管する電力用のダムや農水省が所管する農業用水用のダムなど全国に約900ある「利水ダム」は、各省の縦割りの弊害で、水害対策にはほとんど使われていませんでした。

結果として、全国のダムの合計容量のうち、洪水時にダムに水を貯めて水害対策に使える部分は、全体の3割しかなかったのです。

まず全国約100の1級水系について、こうした縦割りを排し、電力や農業など管理者と調整を進めて治水協定を結び、今回の取りまとめとなりました。

全国のダムの容量のうち水害対策に使える部分が従来の2倍となる6割にまで拡大することができました。拡大できた容量は、建設に50年、5千億円以上をかけた八ツ場ダム50個分に相当します。

例えば、利根川水系では川俣ダムなどで水害対策に使える容量が八ツ場ダム3個分相当増え、相模川水系では城山ダムなどで八ツ場ダム1個分増えることになりました。今後はそれぞれの水系において、大雨が予想される際には、それぞれのダムの事前放流などについて国土交通省を中心に一元的な運用を行うことになります。

さらに全国にダムがある2級水系は約350ありますが、これらについても今後同様の調整を進めます。特に、近年水害が起きた水系や大きなダムがある水系などについては速やかに調整を進めていきます。

また、AIを活用して降雨量やダムへの流入量を精緻に予測し、ダムの放水量もAIを使って予測する研究開発を進めています。

今回の対策は、これまでの治水行政の大きな転換で、縦割りを排してこれまで使われていなかった機能を有効利用することで、巨額の予算を投じることなく洪水調整機能を大幅に増やすことができました。いのちと暮らしを守るために、さらなる能力向上に向けて引き続き取り組んでまいります。

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