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未婚者の4分の3は婚活せず…日本の少子化が止まらない理由は?

 欧米においては、ロマンティック・ラブや性的満足の対象として、恋人を求める強い欲求が存在することが前提とされている。つまり、放置しても、男女はカップル関係を目指す(同性愛でも同じ)。カップルは一緒に住んで、性的関係を楽しむ。だから、そのカップルに子どもを産み育てるための支援をすれば、子どもは生まれてくる。

 しかし日本では、それを前提にできなくなっている。「自然と好きな人ができるはず」「相互に好きな相手がいれば結婚するはず」「結婚したらセックスをするはず」「セックスすれば子どもが生まれるはず」という前提が成り立たないのだ。

 1980年頃までなら、職場などで自然な出会いが多く、出会えなかった者は見合いで結婚していった。

 しかし、1990年頃から、自然な出会いが減少する。国立社会保障・人口問題研究所の岩澤美帆室長が指摘してきたように、職場で出会う結婚が減少する。日本では、経済的リスクが伴った結婚を避ける傾向が強いので、相手の職業などがあらかじめ分かっている自然な出会いが好まれる。それが減少しているのが、結婚の減少の大きな理由である。

 そしてさらに、今世紀に入ってから、恋愛に消極的な若者が増える。白河桃子氏と私が「婚活」を提唱したのも、「待っていれば自分に合った結婚相手が現れるというのは幻想」ということを強調したかったからである。

 だから、日本での少子化対策には、カップル形成の前提としての「結婚支援」が不可欠なのである。自然な出会いが減少しているのであれば、男女が出会う場を何かしらの形で作る必要がある。

 ただ、婚活という言葉を作り、これだけ流行語になって定着しても、恋愛や結婚に向けて積極的に活動している未婚者の割合はそれほど増えてはいない。近年の様々な調査を総合すると、恋人のいない若年未婚者の15%から25%程度しか「婚活」を行なっていない。つまり、少なめに見積もっても、恋人のいない未婚者の4分の3は、自分から積極的に結婚相手探しをしていないのである。

 恋人がほしいと思っている人の割合が約5割であるので、恋人がほしいと思っていたとしても、半数以上は、待っているだけで何もしていないことになる。

 私は、自治体などの結婚サービスを利用して結婚活動をして、結婚もしくは婚約したカップルのインタビュー調査を行なったが、そのうち何人かは、親の勧めで入会している。特に自治体などの公的紹介機関では、その傾向が強い。

 つまり、親が後押しするくらいでないと、そもそも出会いの場にも行こうとしない人が多いのだ。

 さらに、出会いを支援する活動でも、ただ、未婚の男女を集めただけでは、なかなかカップルが成立しない。成功している結婚情報サービス業や公的な結婚支援機関では、カップルを成立させるために、カウンセリングをすることが多くなった。

 まとめよう。恋愛が活発な欧米とは違って、恋愛が活発でない日本では、単に結婚や出産の社会的、経済的条件を整えただけでは、少子化対策の効果は上がらない。そもそも交際相手がいない人が多数派であり、多くの未婚者が男女交際に対し消極的である。そのため、何らかの形で、積極的に出会いを促し、出会いの機会を増やすという政策を加えて行なわなければ、交際、結婚、出産にまで至らない、つまり、少子化は改善しないのである。

 以上、山田昌弘氏の新刊『日本の少子化対策はなぜ失敗したのか? 結婚・出産が回避される本当の原因』(光文社新書)をもとに再構成しました。30年もの間、出生率が低迷している日本。当然の結果として、21世紀に入って人口減少が始まっています。失敗の原因はどこにあったのか、分析・総括します。

 『日本の少子化対策はなぜ失敗したのか?』詳細はこちら

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