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焦点:ネット企業めぐり大統領令、トランプ氏は何を変えたいのか


[28日 ロイター] - トランプ米大統領が連邦法の通信品位法「第230条」の見直しを求める大統領令に署名した。230条はフェイスブック<FB.O>やツイッター<TWTR.N>、アルファベット<GOOGL.O>傘下グーグルといったインターネット企業を、ユーザーが投稿したコンテンツを巡る法的責任から守る根拠法だ。230条制定の経緯やトランプ氏による介入の見通しをまとめた。

<230条とは何か>

230条の中核的な目的は「双方向性のコンピューターサービス」のすべての所有者について、第三者が投稿したいかなるコンテンツについても法的責任を免責することにある。インターネット時代の幕開けのころ、新しい種類の通信サービスの出現を奨励するには、そうした保護が必要だという考え方があった。

法制化されたのは1996年。主にネット空間のポルノを規制することを目的とした「通信品位法」の一部として成立した。通信品位法の大半の部分はその後、憲法が定める表現の自由を侵害するとして裁判所から無効の判断が出されたが、230条は生き延びている。

この法律は事実上、あらゆるウェブサイト業者や関連サービス業者を、ユーザーが投稿したコンテンツを巡る訴訟から保護する。ここでのウェブサイトや関連サービスとは、ニュースサイトのコメント欄や、ユーチューブのような動画サービス、フェイスブックやツイッターのようなソーシャルメディアサービスなどのコンテンツ管理者のことだ。

この法律が書かれたころ、ウェブサイトの所有者たちが懸念したのは、サイト上への投稿を巡り自分たちが何らかの管理を執行した場合に、訴えを起こされる可能性だった。そのため、サイト側が「誠実に」行動する限り、サイト所有者たちには不快な、あるいは好ましくないコンテンツを削除することが認められる規定が盛り込まれている。

ただし、著作権侵害や、何らかの犯罪行為では免責されない。違法コンテンツを投稿するユーザー自身が、法廷で責任を問われることもあり得る。

ハイテク系企業は長い間、230条は不可欠な保護措置だとしてきた。しかし、ネット企業の力が増大するにつれて物議を醸すことも多くなっている。

<230条制定の背景>

インターネットの草創期には、企業が批判を押さえ込もうして、オンラインプラットフォームの所有者たちを訴えた有名な訴訟が幾つかあった。

有名なのは、俳優レオナルド・ディカプリオさん主演の映画「ウルフ・オブ・ウォールストリート」で描かれた証券会社ストラットン・オークモントが、オンラインサービスの先駆者プロディジーを相手取った訴訟だ。裁判所は、あるユーザーによる中傷コメントを巡ってプロディジーの責任を認めた。同社がオンラインサービス上のコンテンツを管理する「版元」だからという判断だった。

創成期のネット業界は、こうした法的責任のために新しいサービスの幅広い展開ができなくなるのを恐れた。議会も最終的に同意し、通信品位法に230条が盛り込まれた。

<政治バイアスをどう扱うか>

トランプ氏や他の230条批判派は、この条項が大手ネット企業に過大な法的保護を与えており、責任の回避を許していると主張する。

トランプ氏を含む保守派の一部は、ソーシャルメディアのサイトでネット検閲を受けていると訴えている。ネット企業側はこれをおおむね否定している。

しばしば誤解されるが、230条はサイトが政治的に中立でなければならないと義務づけているわけではない。大半の法律専門家によれば、政治的な中立性を要請すれば合衆国憲法の修正第1項が定めた表現の自由の侵害になる。

<トランプ氏は230条の変更を命じることができるか>

できない。230条を変えられるのは議会だけだ。2018年、同法は、性的人身売買に利用されたプラットフォームを訴えることができるように修正された。ネット企業の力が強まるにつれて、議会の一部からは、例えばテロ行為を称賛するコンテンツの拡散や、特定のヘイトスピーチを巡り、ネット企業に責任を取らせるよう法改正すべきだと提唱する動きがある。

今回の大統領令は、230条の規定運用を明確化するよう米連邦通信委員会(FCC)に求めている。大統領令は、人を欺くような、差別的な、あるいはネット企業のサービスの条件と矛盾する行為を巡っては、企業は免責が取り消されるべきだとしている。

<他国にも同様な法規定があるか>

230条による法的保護は米国独自のものだ。ただし、欧州連合(EU)や多くの国が、オンラインプラットフォーム運営会社に対して、違法コンテンツが投稿された際に即座に対処するならば免責とする何らかの法規定がある。

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