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少年犯罪に対する厳罰化は、少年を切り捨てるだけの社会

 法務省は、またもは少年法を「改正」して厳罰化をさらに押し進めるという方針が出されています。

 「少年法の厳罰化を検討 有期刑引き上げ 法務省」(産経新聞2012年8月24日)

 これに対して、少年事件の数が増えているわけではない、厳罰化によって少年を矯正できるわけではないという視点から記載されている下記のブログが非常に参考になります。
 「いじめや非行の解決策は厳罰化ではなく、「個人の尊厳」を伝えること 子ども未来法律事務所通信25」(Everyone says I love you !)

 私自身は、最近、少年事件に携わっていないため、このような実践的なお話はとても説得力があり、厳罰化によって対処することはできないということがよくわかります。

 私は、別の視点からこの少年法「改正」厳罰化問題を考えてみたいと思います。

 確かに少年事件自体は減っています。しかし、自らの犯行を動画で撮影し、それを誇示するかのような行動、しかも一向に悪びれているようにも思われない状況が少年犯罪を理解し得ないものとして報道されています。

 少年が未熟とはいえ、思いやりというものが全く欠如してしまっているかのような犯罪でもあり、矯正によって少年が成長していくという過程が全く見えないのではないか、ということでもあります。

 私自身にも、少年事件に限らず、このような言ってみれば「理解できない犯罪」が、件数はともかく、目立ってきているという感覚はあります。

 今の社会は、理解しえない一部の犯罪に恐れおののき、厳罰化を求めている状況です。

 しかし、だからといって、「厳罰化」で良いのでしょうか。

 この問題は厳罰化したからといって、このような理解できない少年が次々に生まれてくるということであり、問題解決にはならないということです。厳罰にしない少年法が犯罪少年を甘やかしているから、少年犯罪が起きるんだという発想は、あまりにも低レベルな主張であり(先のブログに答えがあります。)、問題外なのですが、そのような少年を報復感情で処罰し、社会から排除したとしても、第二、第三の理解できない少年の発生を防ぐことができない、という視点が全く欠如してしまっていることが一番の問題です。

 社会から阻害されている少年は、決してその少年のみが阻害されているわけでもありません。少なくない少年が阻害されているでしょうし、その家庭自体が阻害されていることもあります。

 また家庭ばかりでなく、学校教育の中でも阻害されていくことにもなります。

 根本原因は、構造改革です。

 教育予算を削減し、社会保障を削減していくという構造改革は、日本国民を家畜ならぬ国畜化させ、一部の富裕層とそれ以外になお一層、分化させていくものですが(「悪政競い合う民自公 国民を切り捨てる財界 日本全体がタコ部屋だ」参照)、そのような状況に置かれた場合、必然的に阻害された層から犯罪が起こることになります。

 教育切り捨て政策の下、少年が基礎学力すらも養われない状況の下では、思考を巡らして、行動結果を予測して行動することや、相手の立場に立って相手の気持ちを考えるなどということは、到底、不可能になります(基礎学力があれば、行動結果を予測して行動できるという意味ではありませんからね。)。

 第二、第三の理解できない少年が出てくることは必然です。

(少年犯罪に限りません。行き場を失ったような人たちの破れかぶれの犯罪(不特定多数への殺人など)やストーカー犯罪、あるいは幼児虐待も行き場を失った人たちによる犯行でもあります。)

 厳罰で対処していくということは、この悪循環を助長するだけでなく、このような事態を招いた構造改革路線そのものの矛盾から目をそらすことにもなり、とんでもない強権的治安政策といえます。

文科省中教審が、教員資格取得のために専門職大学院としての教員養成課程を経ることの義務化を言い出しましたが、文科省の単なる利権確保のためのものにすぎず、イジメ問題等学校現場での問題を解決する手段とは全く無関係のものです。新たな利権を獲得するためにイジメ問題を口実に利用しているにすぎない悪質な政策といえます。

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