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なぜ国会は中国を論じないのか

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トップ写真:第201回国会で安倍首相の施政方針演説に対する代表質問を行う立憲民主党の枝野幸男代表(2020年1月22日 衆院本会議) 出典:立憲民主党 facebook

古森義久(ジャーナリスト・麗澤大学特別教授)

【まとめ】

・コロナ、尖閣、経済の絆…中国は論じられるべき重要な存在。

・中国に言及しない日本。政府・議会挙げ糾弾する米と大きな差。

・惨劇繰り返さぬためにも、コロナでの対中調査・研究は不可欠。

日本にとって中国という国家の存在がますます重みを増してきた。この巨大な隣国をどう考えればよいのか。どう接すればよいのか。その国家の本質をどう認識すればよいのか。

いまの日本では官も民もこぞって論じ、語るべき対象である。

日本にとって中華人民共和国という国家がいかに重要か――よい意味でも悪い意味でも――は、まず新型コロナウイルスの大感染をみれば、まず最も容易に理解できよう。この恐るべきウイルスが中国で発生し、海を越えて日本に侵入してきた事実は誰にも否定できないだろう。

日本をこれほど傷つけたコロナウイルスがなぜ、どのように中国から入ってきて、日本を麻痺させたのか。

次にわかりやすい中国の重要性は尖閣諸島の日本領海への中国の武装艦艇の侵入である。

つい最近も3日にわたり、中国の武装艦艇が日本領海に侵入して、操業中の日本漁船を恫喝し、駆逐した。日本の主権の侵害である。

▲写真 尖閣周辺の領海に侵入した中国公船と中国漁船(2018年8月6日) 出典:海上保安庁ホームページ

一方、日本にとって経済面での中国との絆も重要である。だがその絆にはさまざまなしがらみがつきまとう。日本の産業界への妨害や威嚇もある。だが中国の巨大市場の魅力も、サプライチェーンという言葉で象徴される中国の生産拠点としての価値も、日本にとって重要である。

だがそんな重要な相手の中国について、日本の国政の場では奇妙なほど言及がないのである。民間では一部のニュースメディアがかなり積極的に、綿密に中国についての報道や論評を続けている。だが官の側での中国論議があまりに少ないのだ。とくにアメリカと比較すると、茫然とするほどの断層が存在する。

その点での私自身の実体験を改めて伝えたい。

私はこの3ヵ月ほどワシントンと東京の両方で中国発の新型コロナウイルスの大襲来を目前にみてきた。ともに悲惨な傷を負った日米両国が官民でまず感染者を救い、拡大を防ぐことに最大努力を注ぐ動きではまったく共通していたが、その他の反応での黒と白ほどの対照的な違いにショックを受けた。

その相違とはウイルス発生源の中国の責任に対する姿勢である。

アメリカでは中国非難は感染の当初から明確だった。武漢での新たなウイルス感染症の猛威を隠し、警告を発した現場の医師らを懲罰し、虚偽の情報まで流した習近平政権の対応こそ、この邪悪なウイルスを全世界に広げた主因だとする非難である。その基礎には共産党政権の独裁の過多がそんな異様な対処を生んだとする認識がある。

トランプ政権の国家安全保障会議でアジア政策を統括するマット・ポッティンジャー大統領補佐官の5月4日の異例の演説はその認識を集約していた。同補佐官はホワイトハウスの中枢から流暢な中国語で20分間、演説をした。インターネットでの全世界で視聴できる形の発信だった。

▲写真 中国政府非難の演説をするマット・ポッティンジャー大統領補佐官(2020年5月4日)出典: U.S. Embassy in Georgia

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