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ゲームばかりさせて罪悪感……。子どもとの在宅勤務のコツは「完璧ではなくご機嫌」に過ごすことだった

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「子どもとずっといっしょで息が詰まる!」「仕事がはかどらない!」

子育て中のご家庭から、こんな声が聞こえている。「ああ。これまで、結構大変な日々をこなしてきたのかもしれない……」。そんな風に改めて感じている。

わたしは、取材や打ち合わせを除き、基本的に在宅で仕事をしているフリーランスのライターだ。そして、2人の子どもがいる。今年、小学校5年生になる長男は、2年ほど前から不登校。今年小学校1年生になる次男(当時は保育園児)も保育園へ行かなくなった。加えて、昨年末に離婚をした。

不安定と言われるフリーランスで、不登校の子ども2人と在宅勤務をするシングルマザー。なかなかドラマになりそうな設定かなと思っている(ちなみに、週に1度は元夫に子どもたちを預けている)。

子どもの不登校という正解のない境遇に突然陥り、慣れない子どもとの時間や経済的なプレッシャーもある。さらには、メンタルが落ちていた子どもを「回復させる」というプラスの作用が必要だった。

幸いにも、学校に行かず家庭で過ごすうち、2年前には消えそうになっていた子どもたちの生命力が、少しずつ強くなってきたのを感じている。

子どもと24時間過ごし、仕事をしなくてはならない。葛藤の中で、さまざまな課題にずいぶん前から取り組んできた。

似たような状況にいる方に、少しでもヒントになることをお伝えできればと思う。人によってケースはまちまちだと思うが、わたしが直面した課題と、その乗り越え方を記していきたい。
ちなみに、日々のすごし方はこうだ。だいたい朝6時に起きて、食事の用意や洗濯をしてすごし、8時か9時から仕事をスタート。12~13時に簡単な昼食を作って食べる。その後にまた仕事をして、15時から少しおやつタイム。19時に仕事を終え、夕食を作って食べ、21~22時までに入浴を終わらせる。

余裕があれば子どもに読み聞かせをしていっしょに寝る。わたしが仕事や家事をしている間、子どもたちは、基本的にゲームや動画視聴に没頭している。朝ご飯は起きてから別々に、昼食と夕食はいっしょに食べる。


迷ったときの判断軸は「子どもの笑顔が消えていないか」

子どもと在宅勤務をしていると、多くの「判断」に迫られる。例えば「授業」、「食事」の時間や、「学校ではゲーム禁止」といったあらゆるルールがある学校が今まで担ってくれていた、さまざまな行動の善し悪しは、親が判断しなくてはいけない。

これが割と難しい。そんなとき、わたしが判断軸にするのは、子どもが「楽しんでいるかどうか」。試行錯誤して結論づけた指針は、子どもの「笑顔」だった。

なぜなら、子どもが生き生きと笑っているのは、新しいことを吸収したり、自分で工夫をしたり、好奇心が刺激されているときだからだ。勉強以外のことをして一見サボっているように見えても、子どもが笑顔なら、きっと何かを吸収している。こう考えるようにしている(私も、毎回うまくできるわけではないが……)。

子どもを笑顔にしようと思うと、わたし自身に余裕がなくてはならない。子どもが笑わない原因の大半は、親がガミガミ言っていることにある。

結果的に、自分自身の態度を改めることになり、余裕を作らざるをえなくなる。子どもが笑顔であるうちは「きっと間違っていない」と考える。それがわたしにとって原点だし、一番大事なバロメーターだ。

自分の中でこのような「軸」を用意しておくと、「子どもと在宅勤務」で判断に迷った時に便利だ。

毎日の定点観測で知る、子どもの新しい一面

子どもと在宅勤務をしていると、週末だけではなく平日も毎日、ゲームや動画コンテンツに没頭している姿を見ることになる。そんな子どもを毎日定点観測するようになってから、性格や好みをより把握できるようになった。

普段は、わたしが仕事をしているデスクの隣で、子どもがゲームをしたりYouTubeをみたりしている。

集中力をそれほど要しない仕事なら大丈夫だが、集中したい時にはイヤフォンをして音楽を聴く。オンライン会議をするときには、別の部屋に行ってもらう。

最初は、子どもたちが長時間、ゲームやYouTubeに没頭していることに親としての罪悪感があった。だが、時間がたつにつれて発見があった。

ゲームをしている姿から彼らの性格や好み、友達との関係などが分かってきたのだ。悪影響のあるものは見ていなさそうだという確認にもなる。これらは、学校に行っていたらなかなか知りえないことだ。

子どもたちのコミュニケーションも垣間見ることができる。最近の子どもは、友だちとオンラインでおしゃべりをしながらゲームをしている。その内容を後で話してくれるので、会話のきっかけも増えた。

ゲームの世界で友だちを助けたり、裏切られたりというコミュニケーションが見られるのは、大きなメリットだ。大人のおしゃべりとは異なる世界といえる。

一般的に、男の子は学校であったことをあまり親に話さないと言われる。わが家も例外ではなかったが、学校に行かなくなり、かつ毎日在宅勤務を子どもと続ける中で、彼らのことも友だちのことも、ずいぶんわかるようになってきた。

毎日接していると、相手の今まで知らなかった一面に出会える。親子でなくても、お互いの理解が深まるよい影響があるのではないだろうか。

対等に話すことで得た、忖度なしの良き相談相手

子どもといっしょに過ごす時間が増えると、嬉しいことに会話が増えた。

息子
息子
あいつに言いすぎちゃったかもしれない。怒ってるかなあ?

学校に行っていた時はあまり話をしてくれなかった息子が、悩みをぽつりぽつりと話してくれるようになった。こんな時は、

わたし
わたし
そうだねえ、ママもそういうことあるな

と対等に話すようにしている。「こうすればいいよ」なんてことはわからないし、「そんなことないよ」と言うのも無責任だからだ。

私から、友人関係の悩みを彼に打ち明けることもある。事情を話すと「それはママの言い方が悪いね」とズバリ。仕事で失注をして落ち込んでいると、本質的な質問をされたこともある。

息子
息子
それ、やりたかった仕事なの?

わたし
わたし
え、そういえば、そうでもないかも

息子
息子
じゃあ、いいじゃん

それを聞いて、一気に楽になった。子どもが相手だと「ただ正直に言っているだけ」と受け取れるから不思議だ。

会話が増えて、子どもの想いや考えがよりわかるようになった。忖度せずに話してくれる子どもとの会話は、案外気づきが多くて楽しい。よき相談相手ができたとも言える。「子どもだから」と、自分よりものを知らないと考えるのではなく、対等に話すよう心がけたい。

案外伝わっていない「ママはあなたが好き」


特に四六時中いっしょにいると、自分勝手な子どもにガミガミ言ってしまうこともある。お互いに険悪になってうまくいかないときには、「本当は大好きなんだよ」という思いが伝わっていないのかもしれない。 わが子の場合、それをストレートに伝えたことで、大きな変化があらわれた。

次男が登園拒否をし始めたころ、わたしは自分に対して、「子どもにガミガミ言う」ことを許していた。すると、平気そうにしていた次男が、あるときから急に反抗的になった。

わたしは、怒った次男に何度も叩かれた。キッチンの隅で誰にも気づかれずうずくまって泣きながら、北風と太陽の「太陽」になるしかないと考えたことを覚えている。

起きている間、ずっと怒っているような次男が落ち着いている隙を見て、少し切り出した。

わたし
わたし
ママはね、あなたのことが好きなんだよ

息子
息子
え、そうなの?

その時の、次男の驚いた顔が忘れられない。私にガミガミ言われていた彼は、自分が愛されていると信じられなかったのだ。

少しずつ、笑顔が増えていった。約2年経った今、怒ることもあるが、なかなかに人懐っこく、優しい子どもになってきた。

もし、ずっといっしょ一緒に過ごしている子どもに対してやりきれないと感じている方がいたら、「あなたのことが大好きだよ」とひとこと言ってあげるといいかもしれない。

当然のように分かっていると考えてしまう「愛情」が、口うるさい小言により疑わしくなり、相手に信じてもらえないことは大いにあるだろう。

大人同様、ルールを守れないのは当たり前。怒鳴るのではなく自己判断を促す


子どもが楽しい遊びにかまけてルールを守れないのは当然だ。私たち大人だって、自分で決めたルールをしょっちゅう破る。そう考えると、怒る回数が減って、気持ちが楽になった。

例えばわが家では、ゲームをやる時間に関して最低限のルールを決めている。

基本的にルールは守れてないが、何度か声をかければ、少し遅れて行動する。毎回許容できるわけではないが、彼らの立場に立てば、ゲームがすぐにやめられないのもわかる。

先日、長男は新しい友だちとのゲームが楽しすぎて、夕飯も食べず、夜中までゲームをしていた。そんなことは初めてだった。何度も口うるさく注意したが、怒鳴ったり強制的にやめさせることはしなかった。

友だちとの時間は、何を差し置いても譲れない。大人でも経験があるはずだ。翌朝の大事な仕事を頭の片隅に置きながら、朝まで飲んでしまうといったことが。

そう思うと「ここで大人が示しを付けなくては、子どもがダメになる」なんてことはない。逆に言うと、ダメであたりまえなのかもしれない。

ただやっぱり、子どもが今後どうなるかの不安はつきまとう。その日の夜、ゲームをやめた後にお互い冷静になって話し合ってみた。驚くことに、翌日はゲームをすんなりやめてくれた。怒鳴りつけていたら、こうはいかなかっただろう。

ルールを守れなかったと怒鳴られるよりも、自分の頭で考えるほうが、長い目で見て成長できる。子どもも大人も同じではないだろうか。

仕事が間に合わないときは自分の「恐れ」に目を向ける

子どもは自分の思い通りにならない。その結果、仕事に悪影響が出ることもたくさんある。こんな時は、課題の本質や優先順位を考えるようにしている。

わたしの場合「仕事相手からの評価が下がる」ことを受け入れるようにしたら、冷静に対応できるようになった。

例えば、子どもが小さい時の場合、子どもが寝ている間に仕事を進めておきたい。

早起きして4時から作業をはじめたら、だいたい子どもが起きてくる8時ごろまで時間が確保できると思ったが、子どもが5時に起きてしまった……。なんてことは日常茶飯事。

頭の中がパニックになりそうな時は、自分が何を恐れているのか考えるようにしている。
「相手に迷惑をかけること」

「自分の評価が下がること」

「評価が下がることで仕事を失うこと」
恐れの原因は、こういったことだ。さらに考えると、相手に迷惑をかけることよりも、「がっかりされて自分の評価が下がること」を恐れていた。

そこで、評価が下がるのはもう仕方ないと受け入れることにした。子どもが小さい数年間はそういう時期なのだととらえているからだ。

さらに、要求されない限り、相手に伝えるときにはいいわけはしない。仕事が遅れる時は「申し訳ありません。〇時間遅れます」とだけ伝える。理由を聞かれることはあまりなく、相手によっては「もう1日過ぎても大丈夫ですよ」と言ってくださることもある。

すべてを完璧にこなそうとして大事なものを取りこぼすより、長い目で見て本当に重要なことに取り組んだ方がいい。

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