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「反日カード」の裏には「政治ショー」――起死回生を狙った李大統領

韓国の李明博大統領が、日本に対する行動や発言を激化させている。李大統領は今月に入り、日韓が領有権を主張する竹島(韓国名・独島)を電撃訪問(一〇日)したほか、天皇が訪韓した際には新たな謝罪を要求(一四日)。日韓の外交関係は暗雲が立ちこめた状態に陥っている。

 李大統領による一連の言動は、韓国の内政的な事情が大きい。李大統領の周辺では、昨年から親族や側近らが金融がらみの不正事件で逮捕され、今年七月には実兄までが逮捕。物価高騰などの不満も加わり、李大統領の韓国内での評価は地に落ちていた。こうした状況への起死回生の策として「反日カード」を切ったと考えられる。

 昨年一二月に京都で行なわれた日韓首脳会談で、李大統領は野田佳彦首相に、従軍「慰安婦」問題の解決を求めた。これ以降、李大統領は日本との懸案に感情的にアプローチする姿勢を強めていった。

 今年六月下旬には、日本と署名することになっていた防衛分野での日韓秘密情報保護協定の閣議決定について、野党だけではなく与党からも「密室で行なわれた」との反発を招き、李大統領の対日政策が批判された。もともと李大統領は「親日」「知日」とされてきただけに、厳しい姿勢には「日本に甘すぎる」とのイメージを挽回しようとする思惑もにじむ。

 だが、韓国内では報道を含めて反応は比較的冷静で、市民からは「政治ショーだ」との冷めた見方も聞かれる。韓国の外交当局者は、こう指摘する。「日本政治が混迷の度を深めれば、韓国が求める戦後補償問題で日本側の譲歩も引き出せなくなる。それが、一連の対日強硬策を採らせる一因となった」。

 韓流ブームの一方で、日韓間では中長期的視野で外交問題に取り組める政治的パイプが希薄になったとされる。その結果が、今回の問題として如実に証明されたといえるだろう。

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