記事
  • WEDGE Infinity

減収6900億円、ライブ・エンタメ業界は再起できるのか? - 中西 享 (経済ジャーナリスト)

1/2
(Suzanne Bainton/gettyimages)

コロナ禍により、音楽コンサート、演劇、ミュージカル、スポーツなど観客が集まるライブ・エンタテインメント業界は感染の拡大を引き起こす恐れがあるとして、営業の自粛を要請された。その結果、大幅な収入減となった同業界をどう立て直すのか、そのために何が必要なのかについて、ぴあの矢内廣社長が5月29日に日本記者クラブ主催でネット形式による「ライブ・エンタメ業界は再起できるのか」というテーマで講演、記者会見を行った。

売上の77%を消失

Q 現在までに公演の中止などでどれくらいの減収になっているのか、今後の見通しは。

矢内社長 ぴあ総研が5月末現在でまとめた数字では、すでに発生した売上がゼロか減少した公演、試合の総数は、11万3000本、入場できなくなった観客総数は6500万人、それによる入場料の減収は1945億円。これに来年の1月までに見込まれる減収分を加えると、43万2000本、2億2900万人、6900億円となり、年間市場規模約9000億円(入場料のみで物販、飲食は除外)の77%が消失する。緊急事態宣言は解除されてもすぐに回復することは難しく、プロ野球は6月末、Jリーグは7月初めに試合を始めると言っているが、7月までは現状維持で観客は入れられない。

ドーム球場クラスのコンサートで観客を入れてライブ公演できるようになるのは、プロ野球が観客をフルに入れて試合をできるようになってからになる。8月以降から公演の観客の比率を徐々に上げていって、1月に78%になる見通しで、完全回復までにはこれから1年くらいはかかるのではないか。この数字には感染の第二波の予測は入っておらず、これが来ればまた振出しに戻ってしまう。

自粛要請に対して、自分たちの意思でコロナの感染防止に真っ先に応えたのがライブ・エンタメ業界だったが、業界を構成する裾野が広く、中小企業、フリーランスがたくさんいるので、回復は最も遅くなりそうだ。回復が遅れると、人材が流出し、廃業を止められなくなるリスクを強く感じる。

Q 政府に対してどういう支援を求めるか。

矢内社長 売上の80%近くを失っては内部留保があっても事業を守るのは難しい。雇用調整助成金などで支援してもらっているが、市場規模から見ていかにも小さい。当面のイベントについて「止血」となる支援だけでなく、1年先を含めて、業界の生き残りのために「輸血」になる先を見越した支援をしてほしい。具体的には第2次補正予算で、ライブ・エンタメ業界を対象にした資本性劣後ローンのスキームを作ってほしい。さらに10兆円の予備費を使って、ライブ・エンタメ業界をひとくくりにした支援をしてほしい。支援は分かりやすさと公平性が大事なので、税務申告書類の売上総利益の50~80%を助成する支援をライブ・エンタメ業界の全事業者に対して是非ともやってもらいたい。

あわせて読みたい

「エンタメ」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    レジ袋未精算で人生棒に振る人も

    佐々木康彦 / ITmedia オルタナティブ・ブログ

  2. 2

    河井夫妻疑惑 報道鵜呑みは危険

    ビデオニュース・ドットコム

  3. 3

    尾身氏の述べる感染対策が具体的

    中村ゆきつぐ

  4. 4

    ホスト「昼の世界も感染者いる」

    文春オンライン

  5. 5

    胸板薄い? 木村拓哉は成熟なるか

    NEWSポストセブン

  6. 6

    実は借金 千鳥大悟が見せる男気

    SmartFLASH

  7. 7

    日本の感染死者少なさに英紙注目

    BBCニュース

  8. 8

    都の協力金9割支給 一部で不満も

    BLOGOS しらべる部

  9. 9

    マスク警察への対応は憐れむ視線

    NEWSポストセブン

  10. 10

    専門家会議 廃止をめぐり疑念も

    ABEMA TIMES

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。