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中国バイトダンス、海外事業の意思決定を国外にシフト=関係筋


[北京/ニューヨーク/ワシントン 28日 ロイター] - 中国の短編動画投稿アプリTikTok(ティックトック)が米ウォルト・ディズニー<DIS.N>の動画配信サービスを率いてきたケビン・メイヤー氏をトップとして引き抜いたことは、親会社の北京字節跳動科技(バイトダンス・テクノロジー)が海外市場中心の事業の意思決定を中国国外にシフトする戦略の一環に過ぎないようだ。

事情に詳しい複数の関係者によると、米中関係など世界的に緊張感が高まるなか、バイトダンスではここ数カ月間に海外事業の意思決定と研究開発を中国国外に移管する一連の動きがあった。この戦略は中国以外の国で提供されているティックトックだけでなく、インドで提供するソーシャルメディア「Helo」など海外市場中心の事業全てを対象にしているという。

3人の関係筋によると、バイトダンスは米カリフォルニア州マウンテンビューにあるティックトックのエンジニアリング・研究開発部門を拡大してきた。関係筋の1人は、同拠点では150人以上のエンジニアを採用したと明らかにした。

また、バイトダンスは従来、米プライベートエクイティ(PE)のゼネラル・アトランティックとKKRを含む大株主向けの広報活動を北京で行っていたが、ニューヨークが拠点のミシェル・ホアン氏を投資家向け広報(IR)の幹部に抜てきしたという。同氏はソフトバンクグループ傘下ファンドのバイトダンスへの出資に関与したことがある。同氏からコメントは得られていない。

バイトダンス内の組織変革の背景には、貿易や技術、新型コロナウイルス流行などの問題を巡る米中関係の緊張感の高まりがある。

ティックトックに転籍するメイヤー氏は動画配信サービス「ディズニー・プラス」を統括してきた。同氏はロサンゼルスを拠点にし、バイトダンスの最高執行責任者(COO)を兼任するほか、グローバル・コーポレートデベロップメントなどの責任者も務める。関係筋によると、これらの幹部業務は従来、北京で担われていた。

関係筋によると、バイトダンスの海外事業をサポートする中国国内のスタッフは大幅な組織変革に警戒感を示している。事業拡大の次の段階で自らの立場が弱まると懸念し、同社以外に職を求め始めているという。

<エンジニア部門を米国内で完結>

関係筋によると、ティックトックの米エンジニア部門の急拡大は技術的資源を中国から米欧に移す取り組みの一環だという。これまで同部門は中国にいる幹部の直属だったが、米国国内で完結させるため、新たな幹部を探しており、最近、グーグルの上級ポストの人物に接触したという。

ただ、中国国内のエンジニアの一部はティックトックとその中国版であるバイトダンスの「抖音(ドウイン)」の両方のサポート業務を行っており、両アプリに共通のインフラもあることから、完全に切り離すことは不可能だと2人の関係筋は語った。

ティックトックは米国の10代の若年層に圧倒的人気を誇る。ただ、中国資本であるため、米政府内では同社による個人情報の取り扱いについて懸念がある。同アプリは高度の人工知能(AI)に基づき、各ユーザーの嗜好に合わせた動画を推奨するのが特徴だ。

1人の関係筋によると、マウンテンビューの拠点では150人超のエンジニアだけでなく、米IT企業から数十人のデータエンジニアを引き抜き、ユーザー情報の安全管理を担わせているという。

<米当局の懸念は和らぐか>

米当局は昨年以来、ティックトックに国家安全保障上の脅威がないかどうかの調査を進めてきた。ロイターは11月に対米外国投資委員会(CFIUS)が個人情報の取り扱いを中心に調査していると報じた。

CFIUSの弁護士を務めるポール・マーカート氏は、ティックトックの「事業再編の試みは、信頼性が問題になる」と指摘。米事業が機能的に独立し、敵対的な影響を受ける可能性がないと認定できるかどうかをCFIUSは判断することになる」とした。

共和党のマルコ・ルビオ上院議員を含む米国の議員は昨年、バイトダンスによる2018年の米動画アプリ「Musical.ly」(ミュージカリー)買収を巡り、国家安全保障上の脅威がないかどうかの調査をCFIUSに求めた。

ルビオ議員に、ティックトックの最近の組織変革が米国内の規制上の懸念を和らげることになるかどうか質問したところ、「ティックトックや他のアプリが中国政府・共産党による影響力の行使を可能にする形で事業を展開する限り、そのようなアプリの利用について利用者情報がリスクにさらされる危険性は否定できない」と強調した。

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