記事

G7サミットは開催されるべきでないし、安倍首相は訪米すべきでない

G7サミットは開催されるべきでないし、安倍首相は訪米すべきでない

アメリカのトランプ大統領が来月、ワシントン近郊に各国首脳を招いて開催することを検討している件で、安倍首相は「調整が整い、諸般の事情が許せば参加したい」として出席をする意向を示している。また、政府は帰国後に指定場所で2週間待機する措置を安倍首相にも例外なく適用する方針で、公邸で執務を行うことも検討することにしているとのことである。

アメリカのコロナ感染はピークを超えたと報道されているものの、毎日1万5千人以上の新規感染者を出しており、共和党の知事が規制を緩めている南部諸州など14州で感染者数は増加している。人口約70万人の首都ワシントンD.Cで5月26日現在一日当たり100人以上の新規感染者を出しており、ホワイトハウススタッフの中でも感染者が出ているような状況では、訪米した安倍首相一行から感染者が出ない保証はない。この状況で、G7各国の政府関係者をワシントン周辺に呼ぶというトランプ氏の提案は非常に馬鹿げたものである。日本や他のG7諸国はトランプ氏の提案に乗るべきではない。

そもそも、3月にキャンプデービッドでのG7サミット中止・テレビ会議で開催を発表したのはトランプ氏に他ならない。トランプ氏の頭にあるのは11月の選挙における自身の再選だけだというのはよく言われることであるが、選挙の宣伝材料としてG7を利用することを急に思いついたというのが開催提案の理由に他ならない。自国が世界最悪の感染状況にあるにもかかわらず対面での開催を打診したのは、他国の首脳を自分の国に呼びつけることが出来るようになったとアピールしたいからである。

サミットの主要論点は人の往来の再開、サプライチェーンの強靱化、ワクチン開発、途上国の債務問題とのことで、さらに香港への抑圧を強める中国への対応なども話し合われるだろう。しかしながら、これらの議題についてテレビ会議では対応できないとは思えない。また、最近特に非科学的で突飛な提案を連発しているトランプ氏が議長を務めることだから、会議自体が成果を生み出せるかどうかも疑問である。G7サミットに関しては、トランプ氏は2018年でカナダで開かれたシャルルボワサミットを途中退席し、突如ツイッターで「首脳宣言を承認しない」と表明するなど混乱を引き起こしてきた。

トランプ氏はこれまで就任時を除いて支持率が不支持率を上回ったことがないが、最近支持・不支持の差が再び拡大しつつあり、身内のFOXテレビからも対バイデン氏で不利な状況を伝えられているから焦っているのであろう。トランプ氏の選挙を応援するために日本や他のG7諸国は付き合う必要はない。一か国でも不参加を表明したら開催は無くなるだろうが、仮に日本だけが不参加を表明したとしても、そのレベルの衝突はトランプ政権下ではカナダやドイツ・フランスとの間でこれまでも繰り返されてきたのだから、サミット不参加が日米関係だけを極端に悪化させるとは思えない。

周知のとおり、トランプ政権下では閣僚や政権スタッフの解任や辞任が相次いでおり絶えず混乱しているのだから、このような滅茶苦茶で自分の政権をコントロールできない大統領の思い付きに対していちいちちまともに相手にする必要性は無いのである。現に、カナダやドイツはサミット出席の回答を留保しているが、安倍首相の突出ぶりを見るとトランプ氏への無意味な隷属をいつまで続けるのかと呆れてしまう。

それに、訪米後に帰国した場合、安倍首相と随行員は自宅待機となれば業務に支障が出るのは明らかであり、自宅待機なしとなれば非難が噴出するのは目に見えている。意味がないサミットのために国政が停滞するのは本当に馬鹿げている。黒川弘務氏への処分に見られるように安倍政権と民意との乖離はますます広がっているが、こういうことも考えられなくなっているようでは、まさに末期症状だ。野党は黒川問題とともにサミット出席に対しても安倍首相を問いただすべきだ。

あわせて読みたい

「安倍晋三」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    小池氏2選で怒り 自民は何してた

    やまもといちろう

  2. 2

    日本は悪くないと 韓国の反日観

    文春オンライン

  3. 3

    738票届かず 小野氏は供託金没収

    鈴木宗男

  4. 4

    小池知事が当確 朝日朝刊に苦言

    常見陽平

  5. 5

    休むと3万円 ホテル支配人の実態

    紙屋高雪

  6. 6

    貧乏国・日本 全員停滞で幸せか

    fujipon

  7. 7

    レジ袋未精算で人生棒に振る人も

    佐々木康彦 / ITmedia オルタナティブ・ブログ

  8. 8

    野党に振り回された宇都宮健児氏

    田中龍作

  9. 9

    小池氏の変節 五輪支持派が危惧

    WEDGE Infinity

  10. 10

    ハーバード講座示す興味深い日本

    ktdisk

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。