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  • S-MAX
  • 2020年05月24日 11:25

生まれ変わるUQ mobile。KDDIへの事業統合の裏に何があったのか、これまでの微妙な立ち位置や今後の戦略について考える【コラム】

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既報通り、KDDIおよびUQコミュニケーションズ(以下、UQ)は14日、UQおよびUQモバイル沖縄が仮想移動体通信事業者(MVNO)として提供している携帯電話サービス「UQ mobile」の事業を会社分割によって2020年10月1日をもってKDDIが承継すると発表しました。

これによりUQ mobileは、MVNOから「KDDIのサブブランドMNO」(MNO=移動体通信事業者)として再出発することになります。元々KDDIのグループ企業としてモバイル通信業界内でも特別感の強いMVNOという印象がありましたが、KDDIの経営資源の集約のため、経営統合されることになります。

そもそも、これまでのUQ mobileがなぜ「特別」であったのか、MVNOやMNOといった法的なくくりではなく「格安キャリア」などと曖昧な定義によるカテゴリーで語られることが多かったのはなぜかなど、一般にはなかなか理解の難しい問題が背景にはありました。

感性の原点からテクノロジーの特異点を俯瞰する連載コラム「Arcaic Singularity」。今回は、そんなUQ mobileのモバイル業界における微妙な立ち位置や今後の戦略について考察します。

経営統合の真の目的とは

■特殊な立ち位置だったUQ mobile

2020年9月末まで、UQ mobileはMVNOとして存在します。MVNOとは、通信設備を有し周波数帯の免許を取得しているMNOから回線を借り受けて運営する通信事業者なので、通信回線の収容量が小さく、品質が低い(通信速度が遅い、すぐに混雑するなど)といったデメリットが存在します。

そのため、

・MNO : 料金は高いが回線品質が良い
・MVNO : 料金は安いが回線品質が悪い

といった、非常に分かりやすい厳然とした区分がありましたが、UQ mobileはこの法則に当てはまらない「例外」の通信キャリアだったのです。

UQ mobileの回線品質が「例外」とは?

筆者の記憶にあるところでは、2017年5月に行われた総務省による「電気通信市場検証会議」の場において、

二種指定設備設置事業者のグループ企業である一部のMVNOの提供するサービスについて、
・他のMVNOには提供されていないテザリングが提供されている
・他のMVNOでは実現できないようなプロモーションがなされている
・当該二種指定設備設置事業者との販売連携がある

等の差異があり、競争上優位。当該二種指定設備設置事業者による優遇があるのではないか

二種指定設備設置事業者のグループ企業である一部のMVNOの提供するサービスについて、他のMVNOでは実現できないような料金設定がなされ、競争上優位。当該二種指定設備設置事業者による優遇があるのではないか

このような指摘や確認があります。

要は「UQ mobileは不当廉売に当たるのではないか」という指摘だ

当然ながら「二種指定設備設置事業者のグループ企業である一部のMVNO」とは、UQ mobileを名指ししているも同然の表現であり、有り体に言ってしまえば「KDDIはUQ mobileだけ贔屓しているのではないか」と、他MVNOから文句を言われたのです。

この指摘には裏付けがあり、通信速度テストなどを行うと、明らかにUQ mobileのみが他MVNOよりも格段に通信速度が速いのです。

例えば2020年3月にMMD研究所が行った「2020年3月格安SIM・格安スマホ通信速度調査」によれば、楽天モバイルやmineo、BIGLOBEといったKDDI回線を用いるMVNOが、東京・大阪・名古屋といった大都市部で下り最大30Mbps程度に抑えられている中、UQ mobileのみが60Mbpsを超えています。

Y!mobileはMVNOと勘違いされやすい通信キャリアですが、実際はソフトバンクグループのサブブランドMNOであり、MVNOとは法的に扱いが異なります。

そのY!mobileとほぼ同等の通信速度(通信品質)を持つUQ mobileが、他MVNOと大差のない料金プランでサービスを提供しているという時点で、他MVNOから「おかしいじゃないか」と言われていたのは当然のようにも思えます。

これだけの速度差を実測値で見せられてしまうと、贔屓しているのではという不満の声にも説得力が出てくる

この通信速度の傾向はUQ mobileのサービス開始当初からほぼ変わっておらず、「身内に甘いKDDI」などと揶揄されることすらありました。

そのため、業界的にも上記で示したMNOやMVNOといったくくりとは別に、ソフトバンクグループのサブブランドMNOであるY!mobileとKDDIグループのUQ mobileの2社のみ、「格安キャリア」などという定義の存在しない曖昧な表現で扱われてきたという慣例があったのです。

つまり、業界に詳しい人々によるカテゴリー分けで言うならば、

・MNO : 料金は高いが回線品質が良い
・格安キャリア(Y!mobile、UQ mobile):料金も十分安く回線品質もそれほど悪くない
・MVNO : 料金は安いが回線品質が悪い

こういった、特殊な区分だったと言えます。

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