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自治体議員の政務調査費を「政務活動費」に改悪した国会

まじめに議会改革に取り組む、市町村の自治体議員の思いをあざ笑うかのように、国会は、自治体議員に交付される政務調査費の改悪案(改正案・原案に対する修正案)を可決した。

これまで、調査や研究に限定した目的で議員活動を補助してきた政務調査費が、調査や研究とは別に「その他の活動」に充てることを公然と容認する政務活動費となる。

今年3月に自治体議会の通年化や、議長による臨時議会の招集権、これまで委員会に限定していた公聴会の開催や参考人の招致を本会議にも拡大することなどを盛り込んだ地方自治法改正案が提出されていたが、自民党が審議は放ったらかしとし、8月にようやく審議されたかと思うと衆院総務委員会の採決直前に自民党議員による修正案が提出され、可決。それが、衆院本会議、29日の参院本会議を通過した。自民、民主、公明、みんなの党などが修正案に賛成したらしい。

通常、地方自治法の改正は、総務省の諮問機関である地方制度調査会を中心に、自治体や議会の実態を調査のうえ有識者らの見解をもとに随時、地方自治法の改正を行い、特に地方分権改革意向の法改正には自治体議会の審議を活性させるうえで重要な改正を数多くもたらしてきた。
今回の改正案も、成立への期待を寄せてきた。
ところが、自民党による議員立法で行われた、改正案に対する修正案に盛られた政務調査費の「政務活動費」化は、政務調査費の使途基準の緩和など使い勝手の良さのみを求める自民党等の地方議員の不満のはけ口として語られていた程度の中身。それが、ほとんど、現場の自治体議会の声を聴くこともなく、どさくさに修正案が提出され、そのまま可決されたわけであいた口がふさがらない。

今回の修正の特徴を言うならば、市レベルでは「政務調査や研究」に限定した使途基準があったのに対し、都道府県では市レベルでは認められない使途も見受けられた実態を後追いする内容だ。

政令市を除く市レベルの政務調査費は議員一人あたり月額数万円程度であるが、都道府県議会では一人月額数十万円以上と高額になっている。
たとえば、松阪市議会議員には議員一人あたり月額2万5千円であるのに対し、三重県議会議員は月額33万円。
県議会では海外視察は廃止したと言っているが、海外視察に出掛けている議員はいる。その謎はこう考えれば解ける。常任委員会では海外に行かないが、政務調査費を使った議員個人の調査としては海外に行ける。そういう話ではないかと思ってきた。もちろん、必要な調査なら否定はしない。
政務調査費の交付額は、県内の市間でも差があり、松阪市の2万5千円に対し、四日市議会では7万円あるということだ。わたしは、松阪市の2万5千円程度で高すぎず、安すぎず、と考えている。
まともな調査・研究で、市議会議員と県議会議員とのあいだに内容に10倍もの差が現れるはずはなく、まっとうに考えれば県議会議員の政務調査費も市議会レベルでなんら支障はないはずだ。
県議会議員は、交付される金額が多い分、事務所費や広報費、人件費などに政務調査費を充てているようだ。純粋に調査や研究だけで月に33万円も使えるはずはないと、周囲の県議会議員を見ていて実感している。

本来、事務所費の規定は「調査研究に係る染事務推敲に要する経費」、人件費は「調査研究を補助する職員を雇用する経費」となっているが、どこまでが調査研究なのか、一般的な事務ないしは「調査研究を補助する職員」の雇用なのかはどう線引きされているというのだろう。広報費にしても、議会活動ないしは県政に関する政策等に限定されているはずであるが政党活動は含まれていないかなど、あいまいさがつきまとってきた。

それでも、従来は、「調査・研究」という政務に限定する趣旨での政務調査費だったが、「その他の活動」を容認する政務活動費と名を変えれば、ますます自由度を高める。
これまであいまいだった部分を公然と容認することにつながらないか。

突然ふってわいてきた政務調査費、あらため、政務活動費には、自治体議員を変えたいと情熱を燃やす自治体議員の思いを知らない、国会議員の無責任な修正だ。
政務調査費は、従来からも、使途に関して市民オンブズマンなどから問題を指摘されることが多かった。法を変えることで指摘が適当ではないと居直ったような修正だ。
議会改革の流れに逆行する。
国会議員の方々に、修正の趣旨を説明していただきたいぐらいだ。

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