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豪、州またぐ移動再開の是非で州政府の意見分かれる


[シドニー 21日 ロイター] - オーストラリアの州・準州のトップは21日、州をまたいた移動を再開すべきかどうかについて賛否両論の見解を表明した。新型コロナウイルス感染拡大抑制のための移動制限が解除されれば、国内の観光産業復興につながると期待されている。

モリソン首相は新規の新型コロナ感染者が低水準にとどまっていることを受け、7月までに3段階に分けて経済活動を全面的に再開する方針を発表している。ただ、実際の制限緩和は各州・準州の政府が判断し実行する。

国内最大の人口を擁するニューサウスウェールズ(NSW)州は、コロナの影響で落ち込む景気に配慮し、州をまたいだ移動を全面的に再開するよう求めている。

グラディス・ベレジクリアンNSW州首相は、公共オーストラリア放送協会(ABC)のテレビ番組で「オーストラリアが経済と公衆衛生におけるこの困難な時期に国家として確実に前進するには、制限の解除が必要だ」と強調した。

政府の公式データによると、1泊以上宿泊する国内の旅行者は昨年、約1億2000万人に上り、支出額は過去最大の807億豪ドルとなった。海外からの訪問者を含む観光支出(1524億豪ドル)のほぼ半分を占めた。

オーストラリアの観光産業は非居住者を対象にした国境封鎖や必要不可欠でない国内旅行の禁止など、社会的距離を確保する制限措置で大きな打撃を受けているセクターの1つ。

同国では新型コロナの感染拡大を防止する制限措置により、4月に60万人近くが雇用を失い、実質的な失業率は9.6%に上昇した。

財務省幹部のスティーブン・ケネディ氏は21日、失業率は今後数カ月を通じて上昇する見通しだとし、急速な景気回復は見込めないとの認識を示した。

首都キャンベラで議員らに対し「私はV字型回復は予想していない。ただ状況の本質を踏まえると、政府が財政支援でうまく対応すれば、不況の際に想定されるL字型の回復を経験する必要はないだろう」と語った。

豪政府のポール・ケリー副首席医務官は20日、州をまたいだ移動の制限を堅持する医学的な根拠はないが、新型コロナ感染者数と死者数がごく少数の小規模な州は再開になお消極的だと語った。

クイーンズランド州政府の首席医務官、ジャネット・ヤング氏は、移動制限の維持を求める声に賛同を示し「1つの感染例でも、州内の地域社会を再開する計画を大幅に後退させる可能性がある」と強調した。

また、西オーストラリア州のマーク・マクゴワン首相は、NSW州に対し「シドニーで公共交通機関を利用しないように呼び掛ける一方、『NSW州の住民はなぜ西オーストラリアに行けないのか』と主張しており奇妙だ」と指摘した。

*内容を追加しました。

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