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検察庁法改正案は違法行為を「後付け」で合法にするため、まさに「不要不急」である

田原総一朗です。

今問題になっている検察庁法改正案の問題は、まったくむちゃくちゃとしか言いようがない。
そもそもの発端をおさらいしてみよう。
黒川弘務検事長は63歳の誕生日である、2020年2月8日の前日に退官予定だった。
しかし、その1週間前である1月31日、内閣は、黒川検事長の半年間の、定年延長を閣議決定したことだ。

検察庁法には定年延長の規定がないため、法的根拠がなく、野党が「違法ではないか」と指摘し、大問題になったのだ。
これに対して、森まさこ法務大臣は、「一般の国家公務員法の延長規定を適用され、問題はない」と答弁した。

しかし、1981年の国会で、人事院幹部が、「国家公務員法の延長規定は検察官には適用されない」と、はっきりと答弁しているのだ。
すると、その後森法務大臣の国会答弁は、二転三転してしまった。

閣議決定された時期は、「桜を見る会」を私物化しているとして、安倍内閣に批判が集まっていた。
その時期に、なぜわざわざ一人の検察官の定年に、こだわったのか。
安倍内閣に近い黒川氏を検事総長に就任させ、森友、加計学園疑惑、そして「桜を見る会」の問題を、司法上有利に導こうという狙いがあるとしか考えられない。

そして、明らかに違法である黒川氏の定年延長を正当化するため、いわば「後付け」で、検察官の定年を延長する内容の、今回の検察庁法改正案提出となったのである。

5月15日には、松尾邦弘元検事総長、堀田力元法務省官房長ら、検察OB14人が、「政治権力の介入を正当化し、検察の力をそぐ」などと法案の撤回を求める意見書を法務省に提出した。
元検察トップが公然と法案を批判するのは、極めて異例である。

国民全体で新型コロナウイルスと闘う今、このような法案を出すことが、国民の神経を逆なでするのは当然であり、検察OBだけでなく、多くの国民、芸能人からも批判の声が噴出している。

そして、もし本当に検察を、自分たちの都合のよいように動かせると思っているのなら、国家を、国民を、甘く見過ぎている。安倍首相に政治家としての資格はない。

さすがに世論の強い反発で、政府は18日朝、今国会での成立を見送る方針を固めた。
検察庁法改正案こそが、まさに「不要不急」だということだ。

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