記事

【佐藤優の眼光紙背】韓国は日本をナチス・ドイツと同一視させようとする謀略をめぐらしている

1/2
韓国の日本大使館前で日本政府の公式謝罪と賠償を請求する女性たち。(2011年12月、AP/アフロ) 写真一覧
佐藤優の眼光紙背:第143回
 韓国は、李明博大統領を先頭に国家をあげて反日謀略をめぐらしている。具体的には、慰安婦問題を国際化することによって、日本はナチス・ドイツと同じ戦争国家であるという印象を国際社会、特に米国に植えつけ、竹島問題に関して有利な状況を作っていくことだ。

 8月15日、日本の植民地支配からの解放を記念する「光復節」の演説で李明博大統領は、<いわゆる従軍慰安婦問題について日本政府に「責任ある措置を求める」と語った。/韓国大統領が光復節に個別の歴史問題に踏み込んで言及するのは異例で、政権末期の李大統領が今後も歴史問題で日本と争う姿勢を鮮明にした形だ。/李大統領は演説で、「日本は我々と価値を共有する友邦だ」としつつも「歴史に絡まった鎖が未来に向かう足取りを遅らせている」と述べ、従軍慰安婦問題を提起。「2国間の次元を超えた戦時の女性人権問題であり、人類の普遍的価値に反する行為」と主張した。>(8月15日読売新聞電子版)。

 一部に「光復節」の演説で李明博大統領が、竹島問題に言及しなかったので、対日姿勢を軟化させたという見方があったが、そのような見方をする人は事柄の本質がわかっていない。李明博大統領は、国際世論を韓国に引き寄せることを考えいる。そのそも領土問題に関しては当事国以外の関心が低い。領土問題について声高に叫ぶと、地域情勢の悪化を国際社会が懸念し始める。特に領土問題で戦争を繰り返したヨーロッパ諸国では、領土問題で地域情勢を混乱させる国に対して忌避反応を示す。李明博大統領は、国際社会の反応を十分に計算した上で、慰安婦問題を「2国間の次元を超えた戦時の女性人権問題であり、人類の普遍的価値に反する行為」と主張し、ナチス・ドイツによるユダヤ人女性に対する強制避妊、人体実験、大量殺害などと同列に置き、日本を弾劾することを意図しているのだ。

 李明博大統領の発言を踏まえて、今度は韓国外交通商省(外務省)が動き始めた。

韓国、国連総会提起も視野 慰安婦問題の首相発言に反発

 日本軍慰安婦問題で「強制連行の事実は確認できなかった」などとする野田佳彦首相らの発言を受け、韓国外交通商省報道官は28日の会見で「国連総会で適切な機会に(慰安婦問題について)提起する可能性を排除しない」と述べた。

 野田首相の発言に対しては韓国で、「おわびと反省」を表明した1993年の河野洋平官房長官談話を否定するものとして反発が広がっている。報道官は「非常に不適切だ。被害者自身が証拠だ。これまでの反省を無効にする行為にしか見えない」と批判した。

 一方、元慰安婦8人が暮らす「ナヌムの家」は「強制連行の確たる証拠はなかった」などと述べた橋下徹大阪市長や野田首相、全国会議員あてに「招待状」を送ることを決めた。「直接話をしたい」と29日に発送する。

 国会の外交通商統一委員会は28日、「被害者への日本政府の公式謝罪と被害補償を求める決議」を採択。弁護士や学者ら170超の個人・団体も「日本はわずかな良心まで捨てるのか」とする共同声明を出した。

 「政府が問題解決を怠り、被害者の人権を侵害している」とした韓国憲法裁の違憲決定から30日でまる1年となることもあり、関心が高まっている。(ソウル=中野晃)(8月28日、朝日新聞デジタル)

 韓国政府は、国連総会第三委員会(人権)に韓国は慰安婦問題を上程し、「慰安婦問題で反省していない日本はナチス・ドイツと同質だ」という反日キャンペーンを展開することであろう。

 韓国の国会も動きが速い。28日に慰安婦問題に関して日本政府に公式の謝罪と賠償を要求する決議を採択した。

韓国議会、慰安婦で日本に謝罪要求

【ソウル=加藤達也】韓国の国会外交通商統一委員会は28日、日本による朝鮮半島統治時代の「慰安婦」問題に関し、日本政府に公式の謝罪と賠償を要求する決議案を採択した。30日には本会議でも採択される見通し。

 決議では慰安婦問題を「人類の普遍的価値に反する犯罪行為」と指摘し、日本政府に対し公式謝罪と賠償を要求。また「日本政府が歴史的責任を受け入れ、繰り返さないため」として「歴史教育」を求めている。

 さらに要求を日本側に受け入れさせるため、韓国政府に対しても「日本との協議や国際社会への問題提起などあらゆる外交的努力を尽くすべきだ」としている。

 採択過程では一部の議員から「慰安婦」という表現を「性奴隷」に変更するべきだとの意見も出たが、修正については今後検討するという。

 一方、韓国外交通商省の趙(チョ)泰(テ)永(ヨン)報道官は28日の定例会見で、慰安婦問題をめぐり野田佳彦首相が27日に「強制連行を示す文書は確認できない」と述べたことに触れ、「過去の日本の謝罪と反省を無効化する行為だ」と非難した。

 趙報道官はさらに「日本政府は(慰安婦に)苦痛を強いた事実を認識し、歴史に対して謙虚な姿勢を見せなければならない」と主張。「被害者が納得できるよう誠意ある措置を取るべきだ」と述べた。趙報道官は慰安婦問題の国連への提起についても「可能性は排除しない」とした。(8月28日、MSN産経ニュース)

この決議では、<さらに要求を日本側に受け入れさせるため、韓国政府に対しても「日本との協議や国際社会への問題提起などあらゆる外交的努力を尽くすべきだ」としている。>としているが、韓国政府は「国会の要請」を理由に国連総会第三委員会(人権)の信義においてかなり強硬な対日非難を展開するであろう。日本の外交官が、説得力のある反論をしないと、国際社会でわれわれはナチス・ドイツと同類であるという印象ができてしまう。

あわせて読みたい

「従軍慰安婦問題」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    結婚しなくなった日本は先進国

    シロクマ(はてなid;p_shirokuma)

  2. 2

    沖縄慰霊 本土の捨て石だったか

    古谷経衡

  3. 3

    首相へヤジに地元民「沖縄の恥」

    和田政宗

  4. 4

    反日を煽る韓国紙に読者が異議

    団藤保晴

  5. 5

    宮迫・田村亮ら芸人11人謹慎発表

    BLOGOS しらべる部

  6. 6

    男逃走めぐる産経社説は撤回必要

    郷原信郎

  7. 7

    4年間は寮生活 松下政経塾の実情

    BLOGOS編集部

  8. 8

    自民 参院選前にかつてない逆風

    五十嵐仁

  9. 9

    戦後日本で活躍した天才の転落劇

    fujipon

  10. 10

    会社でキレる人が評価される理由

    非国民通信

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。