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検察庁法改正案の「特例」は継続ではなく撤回し黒川検事長は辞職するべきだ

 「ネットでも、デモはできるぞ、ネット・デモ」ということでしょうか。インターネットで急拡大した「抗議」の声によって、国会で審議されていた検察庁法改正案の採決が見送られ、次の臨時国会に継続審議となりました。

 世論の勝利です。歌手やタレントを含む抗議の声に加えて、検察OBも反対に立ち上がりました。
 これほどの世論の盛り上がりは、安倍首相にとっても予想外のことだったでしょう。国民の反応を見誤り、結局は採決の断念に追い込まれた安倍首相にとって大きな打撃となりました。
 内閣支持率も軒並み急降下しています。この声に応えて、安倍首相は法案の継続審議ではなく、内閣の判断によって定年延長できるとする「特例」を切り離して撤回するか、廃案とするべきでしょう。

 今回の見送りに際して、安倍首相は「国民の声を十分に聞くことが大事だ」と語りました。また、「恣意的な人事」となる可能性を否定し続けました。
 しかし、「国民の声を十分に聞く」ことができていたら、そもそもこのような「特例」を付け加えることはなかったはずです。国民は法案の内容を理解していないのではなく、その危険性と問題点を充分に理解したからこそ、抗議と反対の声を上げたのです。
 安倍政権は、自分に都合の良い内閣法制局長官の任命など「恣意的な人事」を繰り返し、今回の「特例」も黒川検事長を検事総長にするための解釈変更を正当化し永続化するためのものでした。このような「恣意的人事」がなされてきた実例を目にしてきたからこそ、安倍首相の言明はかえって大きな反発を引き起こしたのです。

 問題は定年の延長にあるのではありません。それが内閣の判断によって左右されることにあります。定年という人事を通じて、内閣が検察を支配できるようになるという点に最大の問題があるのです。
 しかも、河井前法相夫妻の公職選挙法違反(買収)容疑での捜査が進んでおり、その原資となった1憶5000万円の出どころをめぐって自民党総裁である安倍首相にまで捜査が及ぶ可能性もあります。桜を見る会と後援会行事についても、政治資金規正法や公職選挙法違反容疑での告発がなされており、安倍首相に対する捜査が行われるかもしれません。
 「官邸寄り」とされる黒川検事長を検事総長とすることで、これらの捜査に対する「防波堤」を築こうとしているのではないでしょうか。少なくとも、検察を委縮させ捜査を手控えさせるような効果を狙った「牽制球」であるように思われます。

 継続審議となれば、次の審議の場は秋の臨時国会です。その前に、検事総長が交代すると見られている8月がやってきます。この時、定年を延長されていた黒川さんが検事総長になれば、国民の多くは「やっぱり」と思うことでしょう。
 そのような疑惑をもたれないために、黒川さんの定年延長を取りやめ検事総長に就任する道を断つことが必要です。黒川さんも検事総長になって安倍政権を擁護するのではないかという疑惑をもたれないために、8月を待たずにその職を辞するべきではないでしょうか。

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