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新型核兵器開発を進めるオバマ政権――「核なき世界」より「核の優位」

 今年で一期目を終えるオバマ大統領が、「核兵器近代化」と称した新たな核軍拡に拍車をかけている。これは二〇〇九年の「核なき世界」というプラハ演説に反するものだ。

 昨年二月に発効した米国・ロシア新「戦略兵器削減条約」は、二〇一八年まで両国が配備する戦略核弾頭数を一五五〇発までに削減することを決定。さらにAP通信が七月三日に報じたところでは、大統領は将来の戦略核弾頭の削減目標として、(1)約一〇〇〇~一一〇〇(2)約七〇〇~八〇〇(3)約三〇〇~四〇〇という三つの選択肢を構想しているとされる。

 だが「量」が減らされる一方で、軍縮問題を専門とする米ジョージタウン大学のカイル・リーバー教授らの試算によれば、オバマ政権は今後一〇年間で一八五〇億ドル(約一四兆五〇〇〇億円)を投じた核兵器体系の近代化を計画している。国防総省予算全体では二〇一二年から一〇年間で四八六九億ドル削減される予定だが、核兵器の開発・製造・管理を担うエネルギー省の分などを含めると、同政権の核兵器重視の姿勢は明白だ。

 例として、以下の新型の核兵器運搬手段開発計画が挙げられる。

●戦略ミサイル搭載オハイオ級原子力潜水艦に代わる、新型艦SSBN―X。

●戦略爆撃機B52、B1に代わる、新型長距離核爆撃機(LRNB)。

●爆撃機搭載用の、新型長距離核巡航ミサイル(LRSO)。

●ミニットマンⅢに代わる、空・海軍共用可能な新型大陸間弾道戦略核ミサイル。

 これらの開発計画はすでに二〇一三会計年度(二〇一二年一〇月~二〇一三年九月)の国防総省予算とエネルギー省の予算に盛り込まれており、一部で遅れが生じているが、基本的に各兵器は二〇二〇~三〇年以降配備される。

 またこれら以外にも、核弾頭生産施設の近代化や、貯蔵されている核弾頭の寿命延長、核兵器製造の基盤であるウラン処理施設の建設等も含まれる。オバマ政権は発足後、七回も核実験を実施してきたが、長期的に米国の核弾頭の破壊力と精度を向上させることが目的と見られる。オバマ大統領は今後、より質的に強力な核兵器体系を築き、世界支配のための「核の優位」を維持しようとしているのは間違いない。

(成澤宗男・編集部、8月10日号)

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