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結果良ければすべて良し、ということになるか。憲法問題に言及した石破さんは、実に謙虚で素晴らしい

私のブログの読者の方も憲法問題に言及されており、ほう、こういう視点からも検討すべきだったのか、と、改めて検察庁法改正法案と国家公務員法改正法案を一つに束ねて国会に提出したことの妥当性について慎重に検討する必要性を痛感したばかりだったのだが、たまたま今日のブロゴスにご自分の勉強不足を反省しておられる石破さんの一文が掲載されていた。

石破さんは、やはり自民党の中で博士と言われるくらいに憲法問題については通暁されており、よく勉強される方であるが、その石破さんが自ら勉強不足だった、と認めておられるのだから、石破さんの気付きは、結構大事である。

以下、石破さんの論稿の引用。

「今回の改正の根底にあるのは、総理や法務大臣が何度も言及している「検事も行政官なのだから、一般法である国家公務員法が適用されるのは当然」との考えです。

これは「検察官には国家公務員法の適用はない」としてきた検察庁法施行(昭和22年5月3日。検察庁法には、わざわざ「この法律は日本国憲法施行の日から施行する」と書かれています。この書き方は裁判所法も同じです)以来の政府の立場を、閣議決定による解釈によって変更したものであり、今回の法改正はこの解釈変更と検察庁法との整合性を図ろうとするものでした。

しかし、国家公務員法や人事院の権能との整合も、もう一度考え直さなくてはなりません。

今回の検察庁法の改正によって、高位の検察官の定年延長に当たっては人事院の承認が必要となるはずですが、天皇陛下の御認証を賜る認証官の身分について、人事院の承認が必要とされることは本当に正しいのかについても検討し、結論を得なくてはなりません。

今日の決定は、そのような議論を精緻に行うための時間を確保するものだと認識しています。」
引用終り。

認証官の人事はどうあるべきか、という視点で議論を展開された方はこれまで一人もおられなかったはずだ。

憲法では、特定の公務員の任免は、天皇が内閣の助言と承認により認証することとされている(憲法第7条)。
検事総長も高検検事長も認証官なので、天皇の認証が必要なことは明白である。

そういう認証官の人事について一般の国家公務員法をそのまま適用出来るのか、といった問題があることは確かで、事前の周到な検討なく国家公務員法改正法案と検察庁法改正法案等との一括束ね法案を漫然と国会に提出したことが果たして適当であったかどうかを検討する必要があるのではないか、という石破さんの示唆はさすがと言わざるを得ない。

超高齢化社会の到来によって年金支給開始年齢を少しずつ後ろ倒しにせざるを得ないという社会情勢の変化を受けて、国家公務員等の定年も少しずつ後ろ倒しにせざるを得ないだろうな、と思っており、定年延長そのものについては格別の異論はなかったのだが、一応の定年に達した後の職位の延長について内閣の特例判断を要する制度を導入することの可否が、実は憲法問題にまで直結しかねい大事な問題だという認識は、私にもなかった。

どれだけの人がこの石破さんの問題提起を正確に受け止められるか分からないが、とにかくこの通常国会で検察庁法改正法案等の強行採決が回避されるに至ったことは、関係者の皆さんにとってそれぞれに良かったと思っている。

まあ、結果オーライ、というところだろうか。

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