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今と未来

コロナで超少子化がさらに進んでしまう悲しい現実「この国でどう産めと…」(PRESIDENT Online)

 日本の少子化は予想以上の加速を見せているが、新型コロナウイルスの流行によりさらに厳しい状況に立たされたようだ。新型コロナは日本の少子化問題にどのように影響するのだろうか。

中高生の妊娠相談過去最多 新型コロナによる休校影響か 熊本・慈恵病院(毎日新聞)

 同病院によると、中高生からの妊娠相談は3月ごろから増加し、休校措置が継続された4月は19年より17件増えた。4月のすべての妊娠相談592件のうち、中高生の割合が13%を占めた。例年の5~7%と比べると倍の水準。中高生とカウントしたのは詳細に年齢を回答した相談者だけで、「10代」などの回答は含んでおらず、同病院は「実際の中高生の割合はさらに多い」とみている。

 ……さて、お笑いプレジデントでは新型コロナウイルスの流行による少子化の進行を憂えている一方、中高生の妊娠相談が過去最多を記録したところもあるようです。当事者にとっては切実な話に違いないのですが、どうしたものでしょう。新型コロナウィルスの感染拡大の結果、小池都知事の公約であった満員電車ゼロが達成されたりもしましたが、万が一コロナで少子化が改善されたら、どういう顔をして良いのか分かりません。

 少子化と経済力低下との因果関係は定説として受け入れられています。一方では貧しい国ほど出生率は高い、日本でも県民の平均所得が低いはずの沖縄県が最も出生率が高いなど、経済力以外の要因に大きく左右されるものでもあります。そして経済力を考慮する上でも、「今」ではなく「未来」を考慮しないと判断を誤るところもあるのではないでしょうか。

 日本が世界で最も豊かな国だったときと比べても、新卒者の初任給は別に下がっていません。失業率も至って低いままです。それでも若者が貧しくなったようなイメージができあがったのは、昔と違って「ローンが組めなくなった」からと言えるかも知れません。一世代前の若者は安月給でもローンを組んで車を買い、家を買っていました。手元にお金がなくても、将来から借りることができたわけです。

 ところが現代は昔と違って「普通に働き続けていても給料が上がらない」ようになりました。昔の若者にとって、中高年になる頃には昇給している――それが普通の感覚だったのではないでしょうか。だからローンが組めた、給料以上の買い物が可能であったと言えます。しかし氷河期以降の元・若者は中高年になっても給料が上がるどころか派遣切りやリストラなどで失職のリスクが増えるばかり、これではローンなど組んでいる場合ではありません。

 世に言うブラック企業ほど、トウの立った人材を切り捨てて新たに若者を雇い入れているものです。派遣会社の人材紹介だってどこも若い順、中高年になっても仕事が紹介されるかは保証の限りではありません。「若年層に雇用機会を提供する代わりに、若くなくなったら排除される社会」が若者に希望を与えるかと言えば、当然ながら答えはNOです。

 四半世紀ほど前から、日本は自国の技術力が未来永劫に優れており、それが市場で敗れるとしたら人件費が高いせいだと信じ、人件費削減を国是としてきました。そして今やファーウェイやサムスンなど技術力で日本企業を上回る企業は給与水準でも日本企業のそれを上回るようになりました。日本は人件費が安いという面で強豪国に対して強みを持つようになりましたが――世界経済における日本の地位は低下するばかりです。

 これもやはり「未来」ではなく「今」を見てしまったせいなのかも知れません。新興国の「今」を見れば、人件費が安い分だけコスト面で有利だから伸びているのだと、そう勘違いする人も出てくることでしょう。しかし本当の新興国の強みは「未来」の人件費上昇であり、それが国の購買力を支え、ひいては経済成長を支えていると解釈すべきだったと言えます。

 「未来」の賃金増が見込まれる国では、人々はローンを組んで消費を増やし、国内経済を活性化させていきます。一方で「未来」の賃金抑制が予想される国では、人々は収入減に備えて消費を切り詰め、国内経済を停滞させる他なくなるわけです。この辺は子供を作るかどうかの判断の場合でも同様で「未来」が見られているのではないでしょうか。「今」の経済情勢もさることながら、「未来」に経済発展が望めるかどうか、それが少子化の先行きにも影響しているように思います。

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