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第3波としての「検察官の定年延長」問題

■既に忘れ去られたゴーン氏逃亡事件


 2020年の幕開けはカルロス・ゴーン氏の逃亡劇に始まり、珍しく同じ話題のブログ記事を続けて書いたと記憶しているが、1月下旬からは打って変わり、新型コロナウイルス関連の記事が続き、既に関連記事が30記事を超えている。

 2019年末に日本から逃亡したゴーン氏の話題は既に霞んでしまい、もはや、そんな事件は無かったかのような扱いになっている。全世界で数十万人が死亡する(2020.5現在)という戦時中のような状態となり、1人の経営者が海外に逃亡したことなど、大事の前の小事で、どうでもよくなってしまったのかもしれない。

 ゴーン氏が海外へ逃亡して間もなく新型コロナウイルス騒動になってしまったが、あと1ヶ月時期がズレていれば(=中国政府がもう少し早く発表していれば)、ゴーン氏の逃亡計画は未遂に終わり、寿命が尽きるまで刑務所の中で過ごすことになっていたのかもしれない。

 今年の1月には日本の司法問題として「人質司法問題」がクローズアップされていたが、そんな話題もどこかへ飛んで行ってしまった。
 そして、代わりに出てきたのが、「検察官の定年延長」問題だ。
 新型コロナウイルスの第1波が少し落ち着いてきたので、「モリカケ」、「桜」に続く、野党の追及第3波がやってきたという感じだろうか。

 「森友・加計」→「桜を見る会」→「検察官の定年延長

■最も危険な権力の暴走とは?


 批判している人々の意見を見てみると、どうも、与党(自民党)が検察を買収しているというニュアンスが感じられる。まるで、内閣(政治家)が検察官の人事権を握っているのはおかしいというような物言いになっているが、日本では元から、内閣(政治家)が検察官の人事権を握っている。無論、民主党が与党であった時代でも同じだった。

 それがおかしいということは、現行の法律自体が間違っていたということになってしまう。今回の定年延長が問題なのではなく、内閣(政治家)が検察官の人事権を握っていること自体が問題だと言っていることになる。

 基本的に、内閣(政治家)が検察官の人事権を握っているのは、民主主義的に選挙で選ばれた政治家であるからこそであり、検察が絶対権力者に成り下がらないためのストッパーとしての役割を果たしている。それがいけないということなら、一体誰が人事権を持つのが理想なのだろうか? 検察官も選挙で選ぶべきと言うのだろうか?

 検察はその気になれば、時の総理大臣ですら逮捕拘留することのできる権力機関である。だからこそ、内閣にはそれに対抗できる人事権力が与えられている。
 お互いに権力の暴走を監視するという意味で、これは仕方がない。お互いに忖度関係に陥るのは問題だが、それを防ぐ具体的な方法を考えずに、闇雲に批判しても意味が無いと思う。

 むしろ、民主的に最も危険なのは、選挙で選ばれていない野党政治家と検察官が結託してしまうようになる事態だと言える。選挙で選ばれていない者どうしの結託、これこそが食い止めなければならない権力の暴走となる。

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