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- 2020年05月16日 10:29
検察庁法改正案国会論戦 ~ 政府の術中に嵌っている野党
「森大臣、定年延長、あるいは役職定年延長をどういう場合に認めるのかの基準、明確化が必要じゃありませんか」(国民民主党 後藤祐一 衆院議員)
(15日付TBS NEWS 「検察庁法改正案 採決先送りに、野党「どさくさに紛れて」批判」)
一見厳しい追及にみえるが、こうした追及をした時点で既に安倍政権の術中に嵌っており、政府はほくそ笑んでいるだろう。
必要なのは「役職定年延長を認める際の基準の明確化」ではなく「役職定年延長を認めさせない」ことだ。だからこそ野党共同会派は政府の判断で検察幹部の定年を延長できる規定を削除することを盛り込んでいるはずだ。
野党議員は自分たちが提出した改正案の内容を忘れて政府案を前提に追及している、つまり「延長ありき」「基準ありき」の前提の上で議論をしている格好になっている。
こうした論戦を張るから、政府から与しやすいと侮られてしまうのだろう。
せめて、
「安倍総理、安倍内閣ほど法に対して厳格で公平中立な政権はなく、将来も出て来ないだろうと思っている。それ故に、政府の恣意的な判断が入り込む余地のない法案にしておきたいのだ」
と主張するくらいの「知恵」と「ユーモア」を持ってもらいたいものだ。